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「白い粉の魔力」の自動販売機 前半
電話は予感どおり本署当直の最も信頼のおける生活安全課の係長からであった。
「ただ今、連発のジハンキ荒らしのトリオをパクッたんです。これがポンプの痕だらけのポン中、ハネますョ。ハコは、まだガサしていませんがネ」との連絡であった。(中略)
隠語や専門用語があるので直訳すると、「このところ、管内に連続発生している自動販売機荒らしの三人組の犯人を逮捕した。犯人らの腕を確認すると、いずれも注射痕がたくさんあり、覚せい剤の常習者と思われる。注射痕の状態から私の直感では尿を採って鑑定に出せば、必ず書き製剤成分の反応が出ます。なお、犯人が乗っていた車については、まだ捜索をしていません」・・・・・・となる。(中略)
逮捕事実は『自動販売機荒らし』であったことから、刑事課が窃盗事実の取り調べをした。その結果、三人組は大町市、美麻村などの大町警察署管内のほか、北信、中信地方の広域にわたって、深夜、自動販売機荒らしを繰り返し敢行しており、未遂事件も含めて二百数十件を超える犯行を自供した。

私が読んでいるこの本は、「捕物秘話 長野県防犯実話集第14集 『白い粉の魔力』」(平成11年8月1日発行 非売品)の前半。

自販機荒らしはいかんのだろうが、覚せい剤は絶対にいかん。緒方拳さんの壮絶な生涯を、加勢大周はどのように聞いたのだろうか。

生活安全課の係長の発言は、刑事ドラマそのものであり、実際に刑事さんの間でこんな会話があると思うとぞくぞくしますなぁ。
未遂事件を含めて二百数十件を超える自供というのは、犯人もすごい記憶力だ。きっと写真とか時間とか一つ一つ突きつけられて、お前がやったんだろうなんて迫られてうなずいたのだろうな。

さて、注目の後半は近日中にアップ予定のココロだぁ。。。
by epole | 2008-10-09 23:38 | 小説にみる自販機


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