福井県若狭町熊川宿。ここは重要伝統的建造物群保存地区に選定されているのですが、この古くからの宿場町における自動販売機の設置状況については以前から興味がありました。
このたび短時間ではありましたがこの場所を訪れることができ、数枚の写真を撮ることができました。
宿場町の北端入り口駐車場に自動車をとめ街道に入ります。はいってすぐに気が付くのは、頭の上に電線がなく美しいこと。道路の両端にも電柱はなく、家々のスキマから奥を覗くと、家屋の後ろ側に電柱はあり、電線が宿場の裏側を通っています。これは長野県塩尻市の奈良井宿も同様な手法ですが、日本の町並みを乱す大きな要因として何よりも電柱と電線の存在があることを思い知らされるのであります。
さて、家々を外から拝見しますと、それほどずっと前から保存されている古い家屋という感じではなく、丁寧に作られた伝統家屋に大事に「人が住んでいる」という感じ。人々の生活があふれ出ているのだな。
町は飛騨高山の重要伝統的建造物群保存地区のような強い統一感はなく、ところどころにビル型の家屋も建っています。いずれ建て替え時には周辺の家屋に近い形にされていくことでしょうが、私はそれはそれで心地よく気持ちよく感じられたのだな。そのような建物も、一階部分は周囲と強調した形の日本家屋風装飾がされており、全体の色調は統一されていました。
そんな建物のひとつに第一自動販売機発見。飲食店入り口の脇に張り付くように、薄型のダイドーの自動販売機が設置されていました。周辺は周りの情景に合わせているのにそこだけ配慮がない。店はきれいに飾っても、自動販売機はそのまま。不思議な価値観を感じるのでありました。