都道府県での青少年保護条例と自動販売機
青少年保護条例については先日全国の都道府県の状況をまとめたところですが、条例自体一部改正、全面改正がされ、当初の条例の制定時期と内容はなかなか確認が困難なのです。
そこで書籍※をあたってみることとしました。

青少年保護の条例化は、まずは市町村から始まったようで、それも茨城県の市町村が全国にさきがけていたようで、昭和23年秋から翌年にかけて条例化が次々とされたようです。

下館町公安条例(昭和23年9月1日条例第115号)
第1条 本町の住民及び滞在者の安全を保持するため地方自治法第14条に基いて公安条例を設ける。
第2条 本町の住民又は滞在者で18歳未満の男女は午後10時から午前4時まで保護者の同伴がなくて外出してはならない。
第3条 この条例に違反した者に対しては2千円以下の罰金拘留または科料に処す。但し状況によつてその刑を免除することができる。

いまでこそ青少年保護条例は成人向け自動販売機取締条例の感があるのだが、当初はその影もない。そもそも自動販売機が一般的でなかったのだな。

さて、戦後の混乱期には、「カストリ雑誌」と呼ばれる、性を売り物とする出版物が巷に出回り、刑法第175条の「わいせつ文書頒布販売罪」の適用を受けて取り締まりがされていたところですが、特に青少年を対象として、有害な出版物に対する規制をなすものとして、都道府県での条例化が検討されるようになったようです。
このようななかで我が国最初の青少年保護条例として成立したのが、岡山県の「図書による青少年の保護育成に関する条例」(昭和25年条例第41号)で、次いで和歌山県青少年保護条例(昭和26年条例第41号)、香川県青少年保護育成条例(昭和27年条例第22号)と制定されてゆきます。しかしながら条例の制定は比較的緩やかなペースですすみ、昭和40年台でも、30強の都道府県で制定されるにとどまっています。これは、表現の自由への侵害となるのではないかという憲法上の疑念と、そもそも各地方公共団体がばらばらに条例で規制を行うべきものかどうかという問題があったとされています。

この状況が変わってくるのが昭和50年代で、それまで条例を制定しなかった都道府県が相次いで条例を制定します。その背景にあったのが成人向け自動販売機の普及でありました。
奈良県青少年の健全育成に関する条例(昭和51年12月22日条例第13号)では、同種条例ではじめて「有害図書類・有害がん具刃物類の自動販売機による販売制限」が盛り込まれ、この自動販売機による販売を制限する条項の導入のために、これまで青少年保護条例のなかった都道府県でも条例の制定が相次ぎ、この条項を盛り込むための条例改正が行われたのであります。
現在では、長野県を除く青少年保護条例を制定したすべての都道府県条例に自動販売機に関する規制条項が盛られています。

憲法上の疑念も、目前の成人向け自動販売機への対応という現実問題の前に吹き飛んでしまったのだな。

※参考:「青少年保護条例 公安条例」(昭和56年1月10日奥平康弘編著)
by epole | 2007-11-21 06:14 | 成人向け自販機の黄昏


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