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ふれコム自販機
『ふれコム自販機』とは、社会貢献型自動販売機「ふれあいコミュニケーション」の略称なのだそうです。

6月20日付けで京都新聞が伝えるところによりますと、全国1900カ所の共同作業所などでつくる「きょうされん」は、大手飲料メーカーなどと提携し、『ふれコム自販機』の設置を、本年度から本格的に推進しており、京滋の障害者通所授産施設で設置が進んでいるとのことです。

この自動販売機の特徴は次の2点。
1 電光掲示板を搭載し、縦7センチ、横63センチの表示幕で文字情報を発信できる。ニュースや災害情報のほか、作業所の授産製品やイベントのお知らせなどが流れる。地域の企業や店舗に広告媒体として使ってもらい、宣伝費を得ることもできる。
2 一般の自販機に比べ、設置場所提供者への還元金が5%ほど高く設定されている。維持管理費は主に電気代しかかからず、1カ月で500本の売り上げがあれば、月額約12,000円の利益が見込める。商店や病院が設置して売り上げを施設に寄付することもできるほか、場所を提供するだけでも還元金の一部がきょうされんに流れるシステムになっている。

障害者の共同作業所は、障害者の社会復帰を目的として職業訓練を行っているのだけれど、時間あたりの賃金がものすごく低い。訓練という位置付けなので最低賃金がされません。また、運営の多くを補助金や寄付に頼っている現状で、作業も景気に左右され不安定。このようななかで、一定の収入を確保する方策として、自動販売機が利用されはじめたようです。

さて、その『ふれコム自販機』ですが、気になる点を二つ。
1 電光掲示板は、それだけ電気代がかさむと思うのだがどうだろうか。ただし、コカ・コーラの電光掲示板つき災害対応型自動販売機については、通常のものと殆ど電気代が変わらないというデータを持っていますが。
2 ロケーションフィーについてはベンダーと設置者の個別契約によるものだから、『ふれコム自販機』だからお得とかいう問題ではない。ベンダーや設置者に障害者支援の意識があるのであれば、それぞれの収益から寄付などを行えばよいではないか。
長野県安曇野庁舎には5台の自動販売機がありますが、そのうちの4台について、自動販売機管理会社から売上益の一定割合(数パーセント)が身体障害者団体に自主的に寄付されています。このようなさりげない隠れた善行というのは、なかなか知られないことなのだけれど。

そういえば全家連(全国精神障害者家族会連合会)は最近破産手続きを開始しました。一定の収入源確保は、障害者支援団体にとって切実な問題なのだ。
by epole | 2007-06-21 06:31 | 自販機による販売戦略


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