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ジャポニカでみる自動販売機
ジャポニカでみる自動販売機_a0003909_6135356.jpg『大日本百科事典ジャポニカ S44.4.25初版1刷行 S48.11.30第2版9刷発行』

「自動販売機:電車や汽車の切符、たばこ、ジュース、コーヒーなどの販売機で、硬貨を投入すると自動的にこれらのものがでてくる機械。人件費の節約のために考案されたもので、人件費のとくに高いアメリカで発達した。日本でも、1927年(昭和2)ごろから使われだしたが、第二次世界大戦後、急速に発達し、切符の自動販売機をはじめ、現在多くの商品に利用されている。切符の自動販売機は硬券式と軟券式とがあり、作動方式に電気式と機械式とがある。機械式は投入口から入れた硬貨が、落下する途中でつめなどを動かし、切符が外からの操作で出るような状態になり、最後にハンドルを動かして切符を取り出すのであるが、最近は機械式は使われなくなり、ほとんど電気式となった。電気式は硬貨を投入しただけで、自動的に切符がでてくる。硬券式は、厚手の切符を積み重ね、最下位のものから順に金属板で突出すのであるが、ふつう1000枚程度しかはいらないので、すぐ切符の補充をしなければならない欠点がある。軟券式は薄手のリボン状の紙で、硬貨を投入するとスイッチが働き、裁断機で一枚の長さに切断されて出てくる。いずれの方式でも日付印刷機が内蔵されていて、日付も自動的に印刷される。このほか切符自動販売機と比べると数は少ないが、たばこ、ジュース、コーヒー、チューインガムなど各種の自動販売機がある。また日本ではあまり普及していないが、チョコレート、キャンディー、サンドイッチ、ドーナツなどの菓子類の自動販売機、またストッキング、ハンカチーフ、下着のような衣類の自動販売機もアメリカでは使われている。自動販売機はその品物を一日に一回、あるいは数日に一回補給すると、あとは人がついている必要がないので一人で何十台、何百台の管理ができ、人件費の節約とともに、食料品などは衛生面でも有利である。」

『汽車』については、私鉄や路面電車を『電車』と呼ぶのに対して、日本国有鉄道(国鉄)を指すとの解釈もあるようですが、昭和40年代にはまだ各地で蒸気機関車が元気に走っていたようです。日本ではまず切符の自動販売機から普及が始まったことがよく読み取れます。
人件費の節約が自動販売機の目的であるという基本事項を再認識しました。
それにしても、一人で何十台、何百台の管理はどうだろうか。机上の空論?金銭管理も故障もなければ可能か。
この時点ではまだ『自販機』とのことばはない。

写真はアメリカの自動販売機のものだし、解説でもアメリカの自動販売機について随分紹介しているけれど、この時期に自動販売機がアメリカでそれほど普及していたのだろうか。
「アメリカでは○○だ」というのは、実はアメリカでも少数で最先端のものだったりするから、すこし気をつけなければならないな。(今もそうだけれどね。)
by epole | 2006-09-27 05:49 | 辞書でよむ自動販売機


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