中山竹通選手といえば、オリンピックのマラソンで2度の4位(ソウル,バルセロナオリンピック)を記録するなど、1980年から1990年代にかけて、日本の頂点から世界の頂点を目指した名ランナーなのであります。
その走りの特徴は、レース全体のペース配分というものをまったく考慮していないかのような序盤からの圧倒的な飛び出しでありまして、35キロまでは無敵!それ以降は必ず失速し、披露困憊の姿でふらふらになってゴールするのであります。
圧巻は1987年の福岡マラソンで、やっぱり序盤から突っ走り、35キロでは当時の世界記録を49秒も上回るというものすごい速さで走り、その後急速に失速したものの、最終的に2位以下に大差をつけ、2時間8分18秒のタイムでふらふらになって優勝したのであります。
さて、その中山選手の出身地である安曇野池田町では、今年も『あづみ野池田ハーフマラソン(第17回)』が開催されました。
発着は中山選手の出身校である高瀬中学校。伸びやかな自然の中が会場となりました。
中学近くの交差点にダイドーの自販機が一台。その自販機前を、さまざまなカテゴリーの選手が左から右へと駆け抜けます。
そして、いま、背の高い選手が大きなストライドで自販機前を駆け抜けていきました。
中山選手は、今も故郷の人々に、走る喜びと楽しさを伝えつづけています。