「党生活者」の自動販売機
(前略)私は途中小さいお菓子屋によつて、森永のキャラメルを一つ買つた。それを持つてやつてくると、下宿の男の子供は、近所の子供たちと一緒に自働式のお菓子の出る機会の前に立つてゐた。一銭を入れて、ハンドルを押すとベース・ボールの塁に球が飛んでゆく。球の入る塁によつて、下の穴から出てくるお菓子がちがつた。最近こんな機械が流行り出し、街のどの機械の前にも沢山子供が群がつてゐた。どの子供も目を据ゑ、口を懸命に歪めて、ハンドルを押してゐる。一銭で一銭以上のものが手に入るかも知れないのだ。
私はポケツトをヂヤラゝさせて、一銭銅貨を二枚下宿の子供にやつた。子供は始めはちょつと手を引ツこめたが、急に顔一杯の喜びをあらはした。察するところ、下宿の子は今迄他の子供がやるのを後から見てばかりゐたらしかつた。私はさつき買つてきたキャラメルも子供のポケツトにねぢこんで帰つてきた。(中略)
暫くすると、下のおばさんが階段を上がつてきた。「さつきは子供にどうも!」と云つて、何時になくニコヽしながらお礼をのべて下りて行つた。私たちのやうな仕事をしてゐるもには、何んでもないことにも「世の人並みのこと」に気を配らなければならなかつた。下宿の人に、上の人はどうも変な人だとか、何をしてゐる人だらうか、など思はれることは何よりも避けなければならない事だつた。今獄中で闘争してゐる同志Hは料理屋、喫茶店、床屋、お湯屋などに写真を廻はされるやうな、私達とは比らべものにならない追及のさ中を活動するために、或る時は下宿の人を帝劇に連れて行つてやつたりしてゐる。(後略)

私が読んでいるこの文章は「党生活者」(小林多喜二著。宮本百合子・小林多喜二集(現代日本文學大系55 昭和44年10月25日初版第1刷発行 昭和55年10月30日初版第12刷発行)収録)

宮本百合子・小林多喜二集に収録されている付録中「小林多喜二―死とその前後」(手塚英孝)によれば、この作品の最後の原稿が中央公論に送られたのは昭和7年(1932年)8月24日。中央公論に題を「転換時代」と仮題され、発表されたのが翌昭和8年(1933年)の4、5月号である。多喜二自身はこの発表の直前、昭和8年2月20日、築地警察署特高係に逮捕され、同日絶命した。
多喜二は明治36年(1903年)秋田県に生まれ、明治40年(1907年)から北海道小樽市に移住。昭和5年(1930年)に東京都中野区に移り、以後杉並区、港区内を転々。「党生活者」は港区新網町の下宿で執筆されたもよう。

さて、主人公の「私」は工場をでて、下宿に戻る途中でこの光景に遭遇したようです。ここにでてくる野球盤をもじったゲームつき菓子自動販売機は1回1銭で、子供が群がる盛況なのでした。
日本銀行のHPで現在と貨幣価値を比べてみますと、企業物価戦前基準指数で昭和7年は0.830で平成21年は664.6。これで計算すると当時の1銭は現在の8円程度となります。これだけを考えれば、子供の遊ぶ自動販売機の一回の値段が1銭はさほど高くなさそう。
しかし、本作品中には「女工などは朝の8時から夜の9時まで打ツ通し夜業をして1円08銭にしかならなかった。」との記載があり、これは計算上今の870円程度にしかならないことを考えますと、労働者にとって、自動販売機というものはさほど身近であるとはいえなさそうです。(2010年9月現在の東京都の最低賃金額は時給791円)

そういえば、いまでも私のようなものは、自動販売機でものを購入することを「お金がもったいない」と感じるのですが、自分でお金を稼いでいない子供たちは、それまでさほど欲しいとも思っていなかったのに違いないのに、飲み物の自動販売機で商品を見つけると、とたんにそれが何よりも欲しかったと思い込んでしまうのです。

自動販売機のあふれる日本の風景はそのような、労働者の犠牲のもと、子供たちの歓心を得ることを土台にして出来上がったものなのかもしれません。
ちなみに「私」が子供にやったと思われる森永ポケット用ミルクキャラメルは、大正3年(1914年)の発売時点で20粒入り10銭。でも昭和初期の価格はよくわからない。
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# by epole | 2010-09-23 23:08 | 小説にみる自販機
新潟市内の自動販売機
a0003909_21463920.jpg当初車を停めたのが朱鷺メッセから少し離れたB駐車場でしたので、とりあえず新潟駅方面に歩いてみたのです。
新潟市内はけっこうな高さの建築物があるのですが、その割に道は広く家と家との間は空きずきして余裕がある。少しの間隔だけで奥にぬける小道がどこかに抜けています。
そんななか自動販売機は多くなく、たとえば大通りに面しては殆どみあたらず、脇の道でも点在するのでなく、ある場所に密集して置かれているのが印象的でした。また、それほど目新しい自動販売機も置かれていません。

a0003909_21465866.jpgそれらまっすぐな大通りでなく、すこし曲がった感じの歩きやすい道沿いのお酒屋さんに置かれていたのがお酒の自動販売機です。
10年以上前にはたまに見かけたのですが最近ではめずらしいワインやら瓶ビールやら焼酎やら日本酒やらを販売する自動販売機なのでした。
これらはあまり高額となると自販機荒らしの格好の標的となりますが、それらは瓶ビール350円、デリカメゾンワイン420円、むぎ焼酎二階堂960円、鬼ごろし970円。おつりはそれほど多く用意しなくて済みそうなのだな。

ところではなしは変わりますが、いま朝日村からの真打ち競演をNHKラジオでやっています。来週27日も放送がありますので、お聞き逃しなく!
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# by epole | 2010-09-20 20:11 | 自販機の空間
朱鷺メッセの自動販売機
a0003909_1726429.jpg昨日、新潟市の朱鷺メッセでは、(Be'zの)稲葉さんのコンサート"Koshi Inaba LIVE 2010 〜enⅡ〜"が開かれていたようなのであります。このコンサートは開演が18:00とのことで、わたくしが通りかかった19:00頃にはもちろん観客の姿は外の通路にはなく、会場入り口を黒い服を着た男女が固めていました。入り口の奥からはずいぶんこもってはいましたが、稲葉さんの歌声が、地響きと一緒に流れています。

そんなコンサート会場の入り口脇にあったのが壁の後ろにトンネルのように作られた自動販売機コーナーと飲料自動販売機が5台並んでいます。
いちばん左が紙パック、右の4台はペットボトルと缶飲料。残念なことに左から2台目の自販機は故障中との紙が貼られていましたが、稲葉さんのコンサートには相当数の観客が訪れたはずなのに、売り切れの表示は殆どありません。ベンダーさんがしっかりとしているのだな。

a0003909_17263198.jpg自販機を正面に立つと、前後には殆ど余裕がなく、傍らを駆け抜けようとする人は、欽ちゃん走りをするしかありません。そんな場所で、いま、大きな地震がおこったとしたら・・・考えただけでもぞっとしませんか。いいや、きっとするはずです。したとします!

ご安心ください。ここの自動販売機は、5台すべてに「前面転倒防止装置」がついています。これは、地震の起こった時に自動販売機の全面足元を持ち上げ自動販売機自体を後ろに反らす構造のようです。後ろが壁のときは重宝しそうな装置ですね。

黒い服を着た人は、トイレの扉脇にも立って、固めています。これにはどんな意味があるのだろうか。
朱鷺メッセのガイドブック「Tottoki Guide 2010 9.10」の16ページには、「自動販売機オペレーター 株式会社ジャパンビバレッジ新潟営業所」の広告が掲載されていました。
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# by epole | 2010-09-19 16:39 | 自販機の足もと
「噂の!東京マガジン」と自動販売機
TBSテレビの日曜午後1時からの「噂の!東京マガジン」は、自分のことは棚に上げて若い娘さんが料理をできないことを笑いものにする「やってTRY!」というコーナーや、これまた紛争のある場所で、いかにも正義のありそうな一方に肩入れして他方をやり込める「噂の現場」など、いかにもマスコミらしい番組で、私もときどき見ているのでありますが、9月12日の放送では、八王子市高尾の新興住宅地のスーパーマーケット予定地に大規模霊園ができそうだということについて取り上げていました。

わたくしなんぞは、人は必ず死ぬものですから、家の隣に墓地があっても全く違和感はないし、霊園公園のように緑豊かな場所とすることも考えられる。なによりもお墓がない住民にとっては近くにお墓ができるのはありがたいことだと思うのですが、そこの住民にとってはお墓は迷惑施設としかとらえられていない。そんな報道のしかたなのでした。でも、いつもと違って、若干業者やお寺の言い分にも配慮をしていたのが新鮮でした。

そんな番組の中、一番近くの食品店舗まで遠いという話題の中で「区画内には自動販売機もこことここの2か所しかない。」などと、地図の上に場所を示していたのがお笑いでした。
飲料を販売する自動販売機が食料品店のかわりになるでなし。
まったくこの番組の制作者は思いつきで番組を作っているのだなぁ。でも、それが「噂の!東京マガジン」という番組らしさなのだったと、改めて納得したところでした。
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# by epole | 2010-09-17 21:19 | 番外
塩尻駅前の金券自販機「切符屋」
a0003909_2219192.jpg伊那食品工業にいる間に台風が日本を横切ったようで、伊那市内はとても大雨でしたので、信大地域フォーラムの仲間に駅まで車に乗せていってほしいとお願いしたところ、「沢渡駅」どころか「塩尻駅」まで送ってくださいました。ありがたいなぁ。

さて、塩尻駅前で車を降りますと、駅ビルの左手に堂々と置かれていたのがこの金券自動販売機「切符屋」でした。これは色合いも形も置かれ方も松本駅ビルアルプス口に置かれたものと同種のものです。

a0003909_22195534.jpg販売されているのはJRの特急券、特急券+乗車券、乗車券、高速バス乗車券、マックカードなど。乗車券の多くは塩尻駅を発着点としたものですが、特急券+乗車券には「長野~大宮」など、塩尻と離れた路線のものも販売されていました。

特急券はどうやら信州特急券(4枚で2000円。信州内の特急自由席に乗車できる。)で、ここでは一枚550円で販売されています。塩尻~長野の特急しなのの特急券は通常1,040円だから、これはお買い得なのだなぁ。
マックコーヒー券は通常1枚120円のところ2枚で160円。これも安い。
自動販売機本体に記された注意書きを読みますと、有効期限は基本的に10日以上あるとのこと。
わたくしが乗る松本駅までの切符も、正規230円のところ、この自動販売機では220円で売られていました。

この自動販売機、お札は1,000円、2,000円、5,000円、10,000円の4種類が使用できます。
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# by epole | 2010-09-16 22:20 | 自販機の空間
伊那食品工業の自動販売機5
a0003909_091744.jpg伊那食品工業(株)の塚越会長には当初50分の予定のところ、質疑を含めて一時間半お話をいただきましたのち、さつき亭で昼食をいただき、その後社員の方に水汲み場、清掃具倉庫、そして健康パビリオンをご案内いただきました。

伊那食品工業の社員は皆、正規の出社時間の30分前に出勤し、皆で清掃活動を行っているそうで、倉庫には必要な芝刈り機、清掃機、草刈り機その他の大物小物の清掃用具が納められています。以前掃除に学ぶため、小布施町のみんなとイエローハット本社にお伺いし、鍵山相談役じきじきに早朝の清掃活動に学ばせていただいたことがあるのですが、ここ、伊那食品工業でも実践されています。
(塚越会長は鍵山相談役と対談をしていらっしゃるようですね。)

a0003909_095616.jpg健康パビリオンは2階以上が研究所となっている建物で、1階に健康に関する測定施設、展示、売店があります。展示では、さまざまな飲食物のカロリー表示と、やっぱり、寒天のカロリーが低い状況が分かりやすく表示されています。
売店には、北丘工場のかんてんぱぱショップと同じ商品がコンパクトに展示販売されています。
脇には2組の丸テーブルと椅子が数脚置かれ、そばにはカップ飲料の自動販売機が立っていました。
このカップ式自販機にはかんてんぱぱ商品は販売されていません。カップ式に寒天を組み込むのは難しいのだろうか。

ここで、すてきな店員さんの笑顔に誘われて、「かんてんぱぱあんみつ」等を購入しました。これは今月末までの期限で販売。インターネットショップでも売っているので、ぜひお早めにお買い求めください。

塚越会長には、経営哲学ほか多くをお話しいただきましたが、わたくしには「日本では牛乳について乳脂肪分3.0%以上と定めているのだが、自然の放牧牛の自然の乳はこの基準に合致せず、牛乳として認められていない」ことを、日本に酪農が定着しない行政の問題点として挙げられたことが強く印象に残っています。
といいますのも、数年前に青木村の山羊農家にお伺いしたところ、そこでも「山羊乳は乳脂肪分3.6%以上なくては山羊乳として認められない。しかし、山羊乳の乳脂肪分は季節によって変動し、自然環境では3.6%を下回る季節がある。そのためそのままで殺菌処理をした自然の山羊の乳は法律上『山羊乳』として認められない。」という話を聞いていたのであります。
なんの加工もしない牛の乳、羊の乳が、法令で「牛乳」「山羊乳」と認められないなんて、おかしな国なんだな。このへんな決まりは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」です。

それと同じような行政による規制がさまざまな場面に残り、その規制に順応した人たちだけを保護している。それを、地方からでも、たとえば特区として対応をできないだろうか。
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# by epole | 2010-09-15 00:28 | 伊那食品工業と自動販売機
伊那食品工業の自動販売機4
a0003909_11171642.jpgかんてんぱぱガーデンは、さつき亭、ひまわり亭など、飲食店が多い東側の区画と、本社、研究所、ホールなどが集まる西側の区画に分かれ、両区画の境を広域農道が抜け、両者は歩道橋でつながれています。

広域農道といえば農林水産省の補助金がついて整備された道路で、いかにも農業用車両のみ走りそうですが、伊那にしても安曇野にしても、農業のみならず地域の産業を支える幹線道路として重要な役割を果たしています。
農道の受益地で農地転用などといえば、規模によっては補助金返還などの問題が生ずることがありますが、かんてんぱぱガーデンはもともと林地で、農地転用の問題は生じなかったようです。
歩道橋は伊那食品工業が広域農道を管理する伊那市の許可を得て自前で設置したものだそうで、歩道橋の側面に広告を張ると宣伝効果が大きいと、塚越会長が話していました。
a0003909_11173842.jpg朝の通勤時間帯には特にこの道は混み合うのだそうで、渋滞を避けるため、伊那食品工業の職員は、決して右折をしないとのことです。それはどうやら「左折→左折→左折→横切る」のではなくて、左側にある駐車場を利用して、歩道橋を歩いて渡るということなのでした。大事なことなのだな。

さて、歩道橋を渡ると右側に本社。左側にはかんてんぱぱホールがあり、その正面入り口右側にあるのが、木目のポッカの飲料自動販売機なのでした。
木目自動販売機といえば本物の木で囲われたものと、木目の塗装(シールを含む。)がされるものに分かれますが、ここの自動販売機は後者と思われ、単なる茶色の色塗りでなく、木目をあしらった作りは見事周辺の景観に溶け込んでいました。欲を言えば、空き缶入れもそうありたいものですね。
北丘工場の前のポッカの自動販売機と同様に、ここでも2種類の寒天飲料が販売されていました。
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# by epole | 2010-09-12 11:18 | 伊那食品工業と自動販売機
伊那食品工業の自動販売機3
a0003909_030366.jpg伊那食品工業のかんてんぱぱガーデン内には要所要所に構内で利用可能な傘が置かれています。これは、構内であればどこで借りてもどこにでも返せるもので、当日のような台風の大雨にはたいへんありがたいものでした。

a0003909_0302969.jpgさて、かんてんぱぱショップから西に向かいますと、左にひまわり亭を見る正面にある自動販売機はコカ・コーラ社の自動販売機。これも赤い色でなく抑えた白色の自動販売機で、24時間消灯運転をしているのでした。

a0003909_0305039.jpgさらに森の中を先に進むと、駐車場脇にあったのが「水汲み場」。地下130mから汲み上げられる水が絶えることなく蛇口から流れ続けています。料金は無料!
愛知県からこの水を求めて来る人もいるようなのですが、中には数百のペットボトルを抱えて水を汲みに来る輩も過去には居たそうで、お待ちの客様にすこしお譲りいただくよう、そのときはそっと注意した旨を、ご案内いただいた社員の方がおっしゃっていました。

それにしても、こんな素敵な水飲み場やベンチがあったのでは、これを知ってしまうと、自動販売機の飲料なんざ飲む気にはならないのだなぁ。

水汲み場は、かんてんぱぱガーデン内に2カ所あります。
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# by epole | 2010-09-12 00:31 | 伊那食品工業と自動販売機
伊那食品工業と自動販売機2
a0003909_0153132.jpg沢渡工場の前から狭くて細い農道を上りますと、牛畜舎の向こうに広域農道と伊那食品工業の森が見えてきました。

北丘工場の東側を歩くと、工場上部にある大型のファンが大きな音を立てています。やはり工場だけにある程度の騒音は出るものなのだと思いました、でもここの付近には民家がなく、理想的な立地なのかもしれません。

a0003909_0162735.jpg工場を時計と反対周りに巻いて林の中の敷地内に入りますと、かんてんぱぱショップがありました。ちなみにかんてんぱぱショップはここが本店で、その他は伊那市駅前の「いなっせ店」、長野市の「ぱてぃお大門店」「Toigo店」、「札幌店」「仙台店」「初台店」「名古屋店」「大阪店」「岡山店」「福岡店」の計11店舗があります。また、まもなく小布施町にも「小布施店」が開店する予定ですが、こちらは明治期のかやぶき屋根の民家を利用して出店するもので、小布施の修景活動に貢献するものです。桜井甘精堂本店の向かいになりますので、みなさまぜひお寄りください。

a0003909_0165048.jpgかんてんぱぱショップ本店前の工場わきに設置されていたのが飲料自動販売機2台。左がポッカで右が大塚製薬の自動販売機。いずれも24時間消灯運転と表示されていました。
そういえば、工場の上部の壁にも「緑とともに美しい街づくり」という標語が書かれています。それは緑に囲まれた立地のみならず、自動販売機にも表れているのだな。

a0003909_0173542.jpg左側のポッカの自動販売機にはさらに「紙でできた容器です カートカン」との表示。そう。ポッカは飲料の容器に紙容器を使用しているのでした。紙容器は森林により再生可能な資源ですので、再利用するのに石油などの再生不能エネルギーを使うペットボトルや金属缶よりも格段に資源保護を達成するのであります。そのポッカを置くとは、さすが伊那食品工業。

そう思いながらよくよくこの自動販売機を眺めますと、ディスプレイ中央で売られているのは伊那食品工業製の「飲む寒天グレープフルーツ」と「飲む寒天りんご味」ではありませんか!!
そういえば飲む寒天もカートカンなんだな。
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# by epole | 2010-09-10 00:17 | 伊那食品工業と自動販売機
伊那食品工業の自動販売機
a0003909_23294770.jpgきょう、9月8日、わたくしたち信州大学地域フォーラムは、「かんてんぱぱ」で有名な伊那食品工業株式会社の塚越会長にお会いしお話をお聞かせいただく機会を得ました。

伊那食品工業は、長野県伊那市西春近に拠点を置く、ベストセラー「日本で一番大切にしたい会社」(あさ出版。村上龍氏絶賛!)でも紹介される、地域密着の企業なのであります。

パンフレットを見てみると、最寄りの駅はJR飯田線の沢渡(さわんど)駅。以前は本社がこの駅付近にあったのですが、平成7年に伊那市の西部を通る広域農道沿いに移転しています。しかしながら、沢渡工場は残り、移転先も沢渡から歩いて行けないことはないと考え、長野市から直行の普通電車に3時間ほど乗って、この地を訪れました。

a0003909_23302583.jpga0003909_23381976.jpg(沢渡駅は天竜川沿いに走る国道153号線から少し西に入ったところにありますが、飯田線の駅には無人駅が多い中で駅には駅員さんがいらっしゃって駅前の商店も店を開けて営業しています。これはわたくしが机上で想像していた「企業本社が移転してさびれた駅周辺」とは全く違うものでした。
駅前の商店に置かれた自動販売機にはたばこ、飲料のほか、ガムの自動販売機も見える。ガムの自動販売機の上には郵便受けが乗っている。

a0003909_2349165.jpg駅から少し歩くと病院もあり、伊那市役所の沢渡支所があり、その先には伊那食品工業の社員駐車場。そして狭い急な坂道を上る先には伊那食品工業の沢渡工場がありました。まわりは深い沢と林に囲まれたところに伊那食品工業の寒天工場が詰まっています。これは手狭で、この会社が新たに離れた場所に用地を求めた訳がよくわかりました。
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# by epole | 2010-09-08 23:19 | 伊那食品工業と自動販売機
口にくわえて走るバイク男
先日道の向こう側で、原チャリに乗った若い男性が原チャリに跨がったまま飲料自販機で飲料を購入していたのであります。それはまぁ、よくある風景で、何とも思わなかったのですが、しばらくするとその原チャリが後ろからやってきてわたくしを追い越し、5mほど先でUターンして後ろに走り去ったのですが、そこでわたくしが目にしたのは、ヘルメットをかぶって原チャリにのった男が口に7-UPの缶を喰わえて走る光景。
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# by epole | 2010-09-07 23:55 | 番外
ペットボトルのふたを緩める器具について
最近MacBookにWindows7を入れたことに伴い快適環境のセッティングというあまり役にも立たない作業を遅くまでやっていることもあり、深夜帯のテレビ番組を眺める機会があるのですが、昨日は伊吹吾郎さんが女装していたりして、さすが役者は違うなぁなどと思ったものでした。(芸人か?)

さて、そんななか、8月30日には「雑学王」という番組で、「近頃自動販売機で見かける」という黄色い器具について、これは何かという問題が芸人さんたちに出題されていました。

答えはペットボトル飲料のふた開け器で、器具の穴にペットボトルのキャップを突っ込んで回すとふたが容易に緩むというもの。開発者が病院で握力が弱いお年寄りが、他の人にキャップを緩めてもらっているのを見かけて思いついて開発したというもの。芸人さんたちは全員正解をしたのであります。

それにしても、ペットボトル飲料などは自動販売機のみで販売されるものではないから、そもそものふたに凹凸をつけたり楕円形にしたりしたらもっと良いのではないか!と思いながらも、自動販売機を見ながら、もっと利用者の動きを観察すれば、大儲けができたのではないかなどと不遜な考えを持ったのでした。

それで、今日も一日通りがかりの自動販売機を眺めて歩いたのだが、わたくしの歩く範囲の長野市内、松本市内には、ペットボトルの口を緩める黄色い器具は付いていないのでした。
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# by epole | 2010-09-02 23:18 | 総論
田舎の空き地に3台並んだ自動販売機
a0003909_2375786.jpg北安曇郡松川村の国道147号線脇の空き地に3台並んだ自動販売機。

これは、8月の14日の朝6時40分、前日の縄文の話を田口ランディさんとともに聞いた翌日、木崎湖畔から安曇野市穂高柏原への帰途とおりかかったものであります。
この3台の取り合わせが面白い。
左の自動販売機には上部に「POTETO BOY」と記されている。これは数年前に木曽の開田高原のガソリンスタンドに稼働していない状態で見たことがあるのだが、現役のものに出会ったのは初めてです。下には「ぽてパリくん」とあって、販売商品は「ちょこあ~んぱん」「ラーメン丸チキン」「プリッツサラダ味」「サワークリーム&オニオン」「チップスターうすしお」「ふ~せんの実」の6種。なんだ、ふ~せんの実って?!
真ん中の自動販売機はおなじみキャンディストアの100円商品を中心とした品ぞろえの自動販売機。ほとんどの商品は100円だが、ポカリスエットと十六茶のペットボトルは130円だな。また、UCCコーヒーの1種類は90円で販売されている。なお、ボディに「チョコレート販売中」とあるのにディスプレイにチョコレートがないのはいただけない。
いちばん右もおなじみ健康ベンダーで、健康ドリンク類ばかり販売されている。これは先日エコーバレーに向かう途中の民家のはずれにも置いてあったのだが、わりとひっそりとしたところに置かれることを好むようだ。

さて、それはそれとして、今日は故あって「週刊プレイボーイ」を買い求めたのであります。それこそボーイであったころはなんということはなかったが、この歳になって「週刊プレイボーイ」とは、ただのロリコンおじさんではないか!なんて思いましたよ。今週号の週刊プレイボーイが雑誌自動販売機で売られていたとしたら・・・やっぱり買うのはかっこ悪い。やはり堂々と書店で買うがよいのだな。
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# by epole | 2010-08-30 23:08 | 自販機の空間
47型タッチパネル自動販売機
8月11日付けの日本経済新聞には「自販機に47型タッチパネル」という記事が掲載されていました。

JR東日本の子会社のJR東日本ウォータービジネスがオムロン、富士電機リテイルシステムズと共同開発し、10日、品川駅に設置したもので、47型のタッチパネルディスプレイを搭載。今後2年間に500台を設置するとのことです。
ディスプレイには販促映像が流れ、自販機前に客が立つと商品映像に切り替わり、タッチパネルで商品をタッチすると大きく表示され、そののち現金またはカード類で決済するとのことです。

大型画面のタッチパネルディスプレイは、小布施町図書館「まちとしょテラソ」に国立情報学研究所が開発したデジタルアーカイブシステム「Powers of Information」があって何度も触ったところですが、傘の先が当たったり、子供がたたいたりしたら壊れやすくはないかなぁと心配をしたものです。しばらく前の日経パソコンでも、勝谷誠彦さんが、鳩山前総理大臣が退任表明をしたちょっとした拍子に、大画面テレビの画面を壊した旨を書いていました。
しかしながら、今回駅構内で自動販売機として設置されたということは、相当な耐久性を持たせたものでしょう。

なお、大画面ディスプレイを使用することにより、販売者は消費者に対して、より多くの有用な情報を提供することが可能となります。それは原材料など、これまでの自動販売機ではまったく表示されていない大事な情報であります。
また、大画面で表示することにより、弱視の人でも求める商品を検出しやすくなります。これはいいことなのだな。
一方全く視力のない人にはなにがなんだかわからないものになる可能性があります。この場合、画面をふれると画面が切り替わるだけでなく、音声で選択した商品の情報を伝えることが、とても有効な手段となり、これまでにない使いやすい自動販売機となることでしょう。

これから新技術がわれわれにどれだけやさしくなっていくのか。それはとても楽しみなことなのであります。
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# by epole | 2010-08-28 23:50 | これからの自販機
安曇野市穂高の古い自動販売機ほか
a0003909_002823.jpg13日の金曜日のお盆の夜7時から、長野県大町市内の木崎湖畔で「縄文夜話」という催しがあり、わたくしも、安曇野市穂高柏原のお墓にご先祖様をお迎えした後、木崎湖に向かって愛車をこぎだしたのであります。

いつも自転車で安曇野市から長野市に向かう場合はいったん広域農道までのぼり、そこから安曇野ちひろ美術館の横からずっと北上し、大町市内のシャッター通りを抜けて木崎湖のさきから大町スキー場、新行、美麻村、オリンピック道路から長野市に入るルートを走行するのですが、たまたまグーグルで木崎湖までの行路を検索したところ、大町市までは高瀬川の左岸(東側)のルートが示されたため、今回はほぼこれに沿って北上することとしました。そして、安曇野市穂高市街の自転車でなければ通れないようなところを選んで走行していった道沿いに見つけたのが不二家コーヒー(レモンスカッシュ)の古い自動販売機。
奥の家屋は新しいのに、道路に面した自動販売機は古く錆びついて動かない。母屋は新しくなっても機械がそのまま残っているのがとても面白いことでした。これからもずっと、この場所で残っていくのでしょうか。
走ったことのない道を走ると、面白いものに出会うものです。

a0003909_19324289.jpgさて、木崎湖畔の目的地について自転車をとめておりますと、田口ランディさんがどうやらJR大糸線の「稲尾」の駅から歩いて到着したのでした。
それから「かえると月と縄文」の話を聞いたり、縄文食を食べたりした後、天井に絵が描いてある部屋でお泊り。翌日5時には起床して、再び自転車で安曇野市に戻ったのでありました。
それにしても、ランディさんはとても素敵だったのだなぁ。
また安曇野市もしくは小布施町にお越しいただけないものかと強く思っているえぽるなのでした。

ツーショットの掲載について了解が得られましたので、堂々アップ。ああ、幸せそうな私。
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# by epole | 2010-08-27 00:01 | 廃自販機
「買った買った買った」の自動販売機その2
帰り際、お姉ちゃんの佳苗がひとつだけオネダリをした。同じ年くらいの女の子が手にしていた風船が欲しい、と言い出したのである。見ると、飲み物の自動販売機がずらずらと並んでいる端っこに、風船の自動販売機らしいものがある。
「へー、こんなものがあるのか」
驚きながら近づいてみると、それは確かに風船自動販売機であった。値段はひとつ二百円。色は赤、黄色、青など五色あって、好きなのを選べる。
「私青ね。絶対に青!」
とオネダリ(というか強制だなこれは)されるままに二百円を投入し、青のボタンを押す。機械はみるみる風船を膨らませて、ハイどうぞという感じで、手前の透明ケースの中に出てきた。便利なものである。


わたくしが読んでいるこの本は、
原田宗典著  『買った買った買った』収録『日曜日の風船』(1992年12月15日印刷 1992年12月30日発行)

a0003909_21291796.jpg長野県では先日県知事選挙があり、私も松本市のカタクラモールで選挙広報を行ったのだが、その際の広報グッズが大人に向けては選挙広報ポケットティッシュ、そして子供へは各色の風船でありました。
活動開始前に足踏みポンプで膨らませただけの風船が、子供達にとってはとても素敵なものに見えるようで、多くの子供達が風船を目指して多くの大人を引き連れて集まり、選挙広報活動は大盛況だったのでした。
(そういえば、選挙ポスターの掲示板と自動販売機が写っている写真を撮りながら、アップしていないのを思い出したので、間もなくここに貼り付けることとしよう。)

原田さんが見つけた風船自動販売機が置かれていたのは読売ランドとのことであります。飲料の自動販売機なんぞは大人が買っても子供が買っても結果は同じで、とくだん子供が大人を尊敬するようなものではなく、ただ買ってくれないケチな大人をこどもが軽蔑するだけのものですが、風船の自動販売機を操作し風船を出してくれるお父さんの姿は尊敬の対象となりうるのではないか?いや、結局キカイがすごいのであって、二百円を機械に入れる大人何ぞは当たり前の存在に映ってしまうのかもしれません。

この機械、子供がそのとき喜んで、遊園地の運営者も儲かるし、そのときは得をしたと思うのだが、将来のリピーターにつながらない。飲料の自動販売機も同様で、ただそこにあっただけで、当たり前に金を入れるとモノが出て来るだけの存在であるだけのもの。
心に残るのは人からしてもらう心のこもったサービスで、リピーターはそれを求めるのだ。いくら機械が「ありがとうございました。健康のためすい過ぎに注意しましょう」と言っても、「おおきに」だの「まいどぉ」などと言ったとしても同じことなのだな。
それを心得、いっさいの自動販売機を置かない遊園地がひとつ国内に存在している。
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# by epole | 2010-08-24 21:01 | 小説にみる自販機
「健康のため吸いすぎに注意しましょう」の自動販売機
タバコの自動販売機の前に立つ。ずらりと並んだタバコの中からキャスターマイルドボックスタイプを選んで千円札を紙幣投入口へ挿入する。ボタンを押す。「ありがとうございました。健康のため吸いすぎに注意しましょう」突然自動販売機がしゃべったのでぎょっとした。無機質な女の声だ。かえって不愉快になる。しかもありがとうって言ったくせに肝心のたばこが出て来ないのだ。もう一度ぼたんを押す。やはりタバコは出て来ない。釣り銭返却レバーをガチャガチャとひねる。何とつり銭も出て来ない。(なんでよお!)(嘘つき!)タバコのボタンを何度も押す。 (中略)
(自動販売機まで私を馬鹿にするってわけね)(理由も言わずに、ひどいじゃない)私は思いっきり、自販機を蹴り上げてみた。チロと違って相手は機械なんだから手加減なんかするもんか!でも手加減しなかったぶんだけ爪先がしびれて、あまりの痛みにその場にうずくまってしまった。 「イタタタタタタタ」 
ありがとうございました。健康のため吸いすぎに注意しましょう。またあの慇懃無礼な女の声で自動販売機が繰り返す。ざけんじゃねえ。タバコ、出しなさいよ。頭に来たのでガツンと殴ってみた。「ぎゃあっ」ものすごく手が痛かった。(こんな理不尽なこと、納得できないわよ)(私が嫌なら理由を言ってよ)タバコは出て来ない。なんとしてでもタバコを手に入れたかった。お金を払ったんだから、当然の権利だもん。お金を入れたらタバコが出る・・・・・・それって世の中の常識でしょ?ルールでしょ? (中略)
タバコは出て来ない。私は思い切って、自販機を前後に揺すってみた。自販機の中でガタガタっという乾いた音がする。これはきっとタバコが中に引っ掛かっているに違いない。そう思って私はさらに激しく自販機を揺すった。そしたら、なんてことだ。自販機が私のほうに大きく傾いて倒れてきた。いけない、このままじゃ倒れてしまうって思って、必死に元の位置に戻そうと思うんだけど、自販機はものすごく重くって私はじりじりと自販機の重みにつぶされて、ついには自販機の下敷きになってしまったんだ。私は巨大な自販機に押し倒されて、地面にひっくりかえった。倒れたショックでさらに壊れた自販機は「ありがとうございました。健康のため吸いすぎに注意しましょう」という無機質な機械音声を際限なく繰り返し始めた。 (中略)
もがいても、もがいても自販機はびくともしない。 (中略)
どれくらいの時間がたったかな、急に自販機が動いて、私は我にかえった。ふと見ると二人のホームレスが「うんしょ、うんしょ」と倒れた自販機を持ち上げてくれているのだ。「ほれ、さっさと這い出さんかい」一人のホームレスにそう促されて、私はあわてて自販機の下から這いずり出した。私が這い出すと、二人はどしんと自販機を投げ捨てた。そのショックのせいかどうか、自販機の暴力のようなつぶやきは「ありがと・・・・・・」で止んだ。


わたくしが読んでいるこの本は、
田口ランディ著  『健康のため吸いすぎに注意しましょう』(「ミッドナイト・コール」収録 2000年12月21日第1版第1刷発行 2001年1月5日第1版第2刷発行)

自動販売機から機械音がお礼の言葉が流れてくるようになったのはこのころ(20世紀末)からだったか。この音声は普通に作動しているという信頼性が前提にあるのであって、今回のように、商品やおつりが出て来ないような状況では、被害者の心情を逆なでする効果音となってしまう。二度とこんな機械でものを買うものかと思うのであります。そして最後には「暴力」となる。

逆に商品が奥のほうからどかどかと流れるように大量に流れ出てきたり、少額でもよいから余計におつりが出てきて、さらに機械が「ありがとうございました」と間抜けた音声を発するのであれば、「うん、また買いに来るよ」と頭をなでたい心持になるものを。パン屋の1ダースではありませんが、自販機には正確を期すのはもちろんですが、最悪の場合、お客が損をしない、得をするような方向で故障するようにすれば、さらなる顧客の獲得に効果があると思うのでありました。

お金を入れると音声を発する自動販売機といえば、最近ではまったく珍しくなく、一時は前を通りかかると呼び込みまでする自動販売機も登場したのでしたが、さすがに騒がしいやらうっとうしいためか、それらはあまり音を立てなくなりました。商品を買うと音が出る自動販売機としては、大正13年には「映画付きグリコ自動販売機」が東京に設置されていたのでありました。当時から日本の技術というものは大したものだったのだなぁ。この自販機の場合、今回の無機質な感情のこもらない「ありがとう」と違って、映画の提供自体が購入する対象だったから、相当な確実性が求められたことでしょう。

ところで主人公は自販機をゆすっているうちに自販機が倒れ掛かってきて押しつぶされそうになるのでした。
そんなことが果たしてあるのかといいますと、最近では2007年8月22日付けの日刊スポーツに、自販機で圧死した自販機ドロの記事が掲載されていました。
最近ではほとんどの自動販売機はボルト等で地面に固定され倒れにくくなっているのですが、街を歩くといまだに固定されない自動販売機、こちら側に傾いていたり、細いブロックの土台上に固定され強度が不安な自動販売機などに出会うので、近づかないよう注意しなければなりません。

それにしても、心がマイナスのときには、たくさんのマイナスが連鎖するのはどういう訳なのだろうか。
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# by epole | 2010-08-24 09:24 | 小説にみる自販機
「買った買った買った」の自動販売機
さて最近、このコードレス電話機と同じようにぼくと相性の悪い機械が一台、身近に現れた。仕事場のあるマンションの向かいに設置された、清涼飲料の自動販売機である。引っ越してきたばかりの頃はそうでもなかったのだが、ここ三カ月ほどはぼくに対して悪意を抱き始めたようなのである。
この自動販売機は、設置された場所がJT(日本たばこ)の関連施設の脇なので、清涼飲料の銘柄もハーフタイムというJTブランドのものばかりである。あまり見かけないような飲み物が揃っているので、物珍しくて一本ずつ飲んでみたところ”白ブドウ100”という微発泡性の炭酸飲料が意外なほど美味しいことを発見した。以来、しょっちゅうこの炭酸飲料を買っているのだが、とにかくトラブルが多い。まず一番最初は、確かに”白ぶどう100”のボタンを押したのに、商品取出口には缶コーヒーが落ちてきた。これはまあご愛嬌として許してやってもいいが、その一週間後くらいに、今度はお釣りの九十円が出てこないという凄惨な事件が勃発した。九十円と言えば、あと二十円足してもう一本購入できる金額である。百三十円足せばもう二本購入できる金額である。そういうふうに考えるとこれは大きい。大きいだけに悔しい。
その後も、記憶しているだけでも三回、お釣りが戻ってこないことがあった。それ以外にも、投入口へ硬貨を入れ損なって自動販売機の下へ転がってしまったことが二回もあったりして、まことに腹立たしい。文句を言おうにも、たいていの場合が夜中だったりするものだから、怒りのハケ口が見つからなくて尚更腹立たしい。これはもう機械と自分との相性が悪いのだと、無理にでも思わないことにはやり切れないではないか。


わたくしが読んでいるこの本は、
原田宗典著  『買った買った買った』収録『複雑な清涼飲料』(1992年12月15日印刷 1992年12月30日発行)

わたくしが”SECOND LIFE”内でイケ面の自動販売機オペレーター”epole Tomorrow”となり、このコミュニティゲームに海外から参加する皆さんに訊ねたところでは、彼らの自動販売機への印象と言えば、「すぐ故障する」というもので、彼らの多くが釣り銭が出てこないという状況を経験していたように思う。原田氏が1990年当時に馴染みのJTの清涼飲料の自動販売機に抱いた印象は、現在の海外の利用者のもつ自動販売機への印象と重なるものがある。

それにしても、立派に仕事をこなす自動販売機よりも、たまに商品を間違えたり、おつりが出てきなかったりする自動販売機がこんなに愛しいのはどうしてなのだろうか。
それは、彼がたまにお釣りを多く返してくれたりするだけではなく、いわゆる”出来の悪い子ほどかわいい”といった気持ちが利用者の意識の下に働くからなのではないか。
自動販売機があまりに正確に確実に作動する機械だとすると、あまりに冷たくて怖い感じが私にはするのだな。
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# by epole | 2010-08-24 00:16 | 小説にみる自販機
ようやくエコーバレーの結婚式場に到着
a0003909_23571630.jpgあっという間にお盆を過ぎたというのに、このブログはまだ結婚式場を目指して自転車で走り続けている。いい加減お祝いを言わないと。

さきに久々に出会った伊藤園の飲料自動販売機は、このような辺地に所在するというのに、市街地と同価格で販売されている。ここまで商品を運んだり管理するには相当な経費がかかっていそうものだが。そう思って管理者の表示を見ると、なんと上伊那郡南箕輪村の業者。南箕輪村って、ここから先二つ峠を越えた、茅野市、伊那市(高遠)の向こう側の村である。そうとうな広域を担った管理会社であろうことに驚くのでした。

a0003909_053085.jpgこの自動販売機のさき、やがて右に曲がるとエコーバレースキー場の表示あり。入口付近で目的地を確認して最後の登り。なかなか直線で登るのがしんどく、一部区間は道をいっぱいに使って蛇行して登る。そして、行き着いたペンションの駐車場わきにコカ・コーラの自動販売機。ようやく到着。

a0003909_22423491.jpg結婚式はこのペンション経営のレストラン。やっぱり新婦はとてもきれい。これはとても新郎がうらやましいと思ったところでありました。
でも、わたくしにはランディさんがいるから、といったたわいないお話はまたあとで。

今回のブログはMacBookにBootCampした64bitのWindows7上で動くSafariではじめて書いたのだが、うまく表示されるでしょうか。どきどき。
そう思って確認すると、やはり少し画像処理ソフト(Paint Grafic2)に誤作動がみられる。
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# by epole | 2010-08-18 00:07 | 自販機の空間
ドッグデイズの自動販売機
a0003909_16294199.jpg大家駅からエコーバレースキー場へは、駅前からまっすぐ国道152号線を南下。ゆるゆるとした登り道を丸子の街を通り過ぎ旧武石村へ。昔右に曲がって美ヶ原に行った分岐を直進し、セブンイレブン信州長門バイパス店でペットボトルの500mlお茶飲料を購入。ここらへんから徐々に坂道がきつくなる。

2010年7月24日付け読売新聞編集手帳に次のような文章を読む。
『「土用」を英語で「ドッグデイズ」と言い表すことは、以前に和英辞典を引いて知っていた。どうして”犬の日々”なのだろう◆きのう、所用があって東京モノレールの線路沿いに羽田空港の近辺を炎天下、ひと駅ぶんほど歩いた。整備工場らしき建物が並ぶのみで、身を寄せる日陰はなし、のどを潤す店も自動販売機もなし、いつしか舌を出して息をしているわが身を顧みて、英単語の成り立ちを理解した(以下略)』

炎天下をひと駅ぶん歩くのがどの程度辛いのか、人それぞれの尺度があるからなんとも言わないのですが、いつしかどんなところでも暫く歩けば自動販売機に出会うというのが当たり前になっていて、そう、それは諺に言う「犬も歩けば棒に当たる」みたいなものなのだが、編集手帳を書く読売新聞の偉い人にとっても、自動販売機があることが当たり前の日常で、それが久々に、自動販売機のない”非日常”と出会うことが”ドッグデイズ”の成り立ちの理解につながったのだな。

a0003909_1630398.jpg大門と呼ばれる地域を過ぎて国道152号線はさらに傾斜を増すが、バス停わきの自動販売機あたりを最後に自動販売機は見当たらなくなった。大丈夫、いざとなれば道路わきの民家にお願いして水を分けていただこうと思うが、いつの間にか山道を舗装道路ばかりが続く。右に水道貯水施設はあっても水道の蛇口はない。
携帯電話のGPSで位置情報を確認すると、表示範囲の前後5キロ以内に施設はなく、画面にはただ道だけが表示される。これは役に立たないが、いざとなれば沢水がすくってくれるだろうと思うことにする。

ドッグデイズでもここまで犬には一匹にも出会わない。時折自動車やオートバイが向こうからこちらから追い越していく。山道は動力のついた機械に限る。
やがて、ようやく見つけた伊藤園の自動販売機が一台。ここは喫茶店、ではなくて”ドッグラン
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# by epole | 2010-08-03 16:30 | 自販機の空間