日本自動販売機工業会は、自販機に関する多くのデータを提供しています。そのHPには、「2004年末自販機普及台数及び年間自販金額」が公開されているのであります。 この表をぼんやりと眺めていて、ふと、一台当りの売上はどうなのだろうと思い、金額を台数で割ってみました。 一台当りの売上が断然大きいのは乗車券自動販売機であります。なんせ乗車券ですから、単価が高額なのでありましょう。松本から長野の片道だけで1,110円を売り上げるのであります。(でも、往復割引を使えば往復で1,430円なのであります。)もっというと、長野から上野まで新幹線の切符を買うと、7,770円。1万円で2,230円しか返らないのであります。 次いで売上が多いのが食券・入場券等であります。そして、「たばこ」、「酒・ビール」「清涼飲料」・・・と続くのであります。 統計から自販機と地域経済の関係を見る際に障害となるのが自販機の過去のデータがなかなか見当たらないことです。全国のデータについては日本自動販売機工業会が台数と売上高を公表しているのですが、自治体が実施する統計調査には自販機項目がなく、地域での自販機の設置数はなかなかみつかりません。 そんななか、長野県東筑摩郡四賀村で、平成11年4月1日現在58台の自販機が村内で設置されていた旨の情報を頂戴しました。 四賀村では「美しい四賀村を守る条例」を定め、自動販売機については届け出されることとなっています。 実のところ、最近では新たに自販機が設置されてもなかなか届出がされないようですが、それでも自販機の推移を見る上で、大変重要な資料となります。 四賀村の自販機と経済について少し確認してみたいと思います。 飲食料品小売事業所の一店舗あたりの商品販売額の推移をみてみます。結局、全体の商品販売額の推移と同じような、現在(右側)に向かって蟷螂が鎌をふりたてているような形のグラフが現れました。 やはり、大規模小売店の出店の影響が大きく現れていますが、アイシティ(統計から見る自動販売機と地域経済5参照)の影響はあまり感じられません。 自動販売機の存在が店舗の売上に影響したというようなデータは得られませんでした。むしろ今まで言われてきたように、大規模小売店の存在が、地域の経済に大きな影響を与えることがデータにはっきりと現れました。 でも、これからはどうでしょうか。 朝日村の一店舗当りの商品売上は下がりつづけ、いまや2000万円を切ろうとしています。このような経営状況の中で、1台で数十万円を売り上げる自動販売機一台一台の存在が、大きくなってきています。 先に検討(朝日村の自動販売機4)をしたところでは、朝日村の自動販売機の総売上の推計は4480万円。これは朝日村の飲食料品小売店の総売上の1/5を占め、朝日村の飲食料品小売店の2店舗分以上の売上をあげているのですから。 朝日村の飲食料品小売事業所の商品販売額は、昭和60年まで増加し、それから昭和63年にピークを迎えそれから7年間安定して高い販売額を維持しています。ところがその後急激な下降線をたどり、平成6年には対昭和49年比で3倍あった商品販売額が、平成11年には昭和49年の水準を下回るに至りました。 平成6年以降の急落は、平成8年に、朝日村に隣接する山形村の朝日村寄りに、マックスバリューが開店したことが大きく影響していると考えられます。 グラフには山形村のデータも併せて掲載しましたのでご覧ください。大型小売店舗の地域経済への影響は、実にストレートに現れるものです。 さらに平成12年、朝日村からはすこし離れますが、やはり山形村内にアイシティという大規模店舗が開店しました。この影響も現れているようです。 なお、昭和63年から平成6年までの減少についての原因は特定できていません。 長野県の商品販売額は、ほぼ景気を反映しているものと思われます。平成14年には初めてマイナスとなりました。 飲食料小売店の商品販売額の推移をまとめてみました。この数字を見る限りでは、店舗数の減少と商品販売額の相関関係がはっきりしません。 同様に、自動販売機台数の推移とは全く関係が感じられません。 また、朝日村については、隣接する山形村に開店した大型小売店(マックスバリュー)の影響が感じられます。 次回、今回のデータをグラフ化するとともに、詳しく検討したいと思います。 長野県と朝日村の飲食料品小売店事業所数の推移のグラフに自動販売機のデータを重ねてみます。残念ながら、地域の自動販売機の台数のデータは見つかりませんでしたが、日本の自動販売機普及台数のデータは日本自動販売機工業会が調べています。 日本自動販売機工業会のホームページhttp://www.jvma.or.jp/では平成4年以降のデータが公開されております。それ以前のデータを探したところ、「自動販売機の文化史(鷲巣力著)」の中に昭和39年から平成14年までのデータが掲載されていましたので、こちらを借用してグラフ化しました。 今回の比較はとても乱暴な話で、調査区域自体が全国、長野県、朝日村と異なっております。また、小売店が飲食料小売店に限定しているのに対し、自動販売機は飲食料品自動販売機のほか、たばこ、乗車券等の券類自動販売機、切手新聞等のその他自動販売機、両替機やコインロッカーなどの自動サービス器を含んだ数字であることに注意しなければなりません。 しかし、このグラフだけをみますと、両者には相関関係があるようにみえます。 朝日村の飲食料品小売店事業所は、昭和39年には36ありましたが、昭和63年以降に半減し、平成14年には11と、3分の1以下に減っています。長野県全体については昭和49年以降のデータしかありません。 朝日村のような急激な減少は見られませんが、なだらかに減少し、平成14年には昭和49年と比べて6割程度に店舗数が減少しています。 この減少の原因はどこにあるのでしょうか。 長野県内の多くの市町村が人口減少に悩んでいます。 朝日村でも人口減少のため、飲食料品購買人口が減少し、店舗数が減少したということはないでしょうか。 人口については5年ごとに実施されている国勢調査で把握することができます。 昭和40年の調査では、朝日村の人口は4,490人。長野県の人口は1,958,007人です。そして、平成12年の調査では、朝日村の人口は4,908人。長野県の人口は2,215,168人となっており、この35年間で、村の人口、長野県の人口とも約1割増加しています。 人口の増減と、飲食良品小売店事業所数には相関関係はなさそうです。 これまで地域の商店が減少している旨を当たり前のように述べてきました。村部に行くと、ほとんど廃墟と化した店、正面の殆どを自動販売機が占めており、店舗自体は営業していない、そんな小売店が増えています。 この状況を、客観的数値的に裏付ける資料はないか探してみました。 経済産業省の統計に「商業統計」というものがあります。 昭和27年に始まり昭和51年から平成9年までは3年毎、以降5年毎に本調査。平成11年には簡易調査がされています。 長野県のホームページからデータベースにあたってみたところ、商業統計の調査結果として昭和39年以降の市町村別産業分類中分類別の商店数等が公開されていました。 このうち長野県全体数が集計されているのは昭和49年以降の調査結果で、それ以前は県全体の数値が示されていません。 そこで、飲食料品小売業について、長野県全体と朝日村の状況を、商業統計から検討してみます。 < 前のページ次のページ >
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vending machines and Japanese
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