地蔵通り商店街も、『とげぬき地蔵尊 高岩寺』を超えますと、商店も観光客目当てよりも、より生活に密着したものとなるとともに、若干の商店のスキマが目立ってきます。立川たばこ店では、たばこの自動販売機が店舗に組み込まれています。この辺の店舗は通りぎりぎりまで建物が建っているので、田舎のように自動販売機を軒先に置くようなわけにはいかないのだな。 それよりも、隣の丸木時計店では閉店売りつくしセールを開催中のようだ。閉店後はここはどうなっていくのだろうか。ただ、ただ気になるのが「五月三日より」の文字で、閉店売りつくしセールは4ヶ月継続しているのだろうか。 高岩寺の最も近くにあるスーパーマーケットが『マルイチ』。これまで見てきたどの店舗より大きく通りに店舗が面していますが、通常のスーパー同様に販売のほとんどは店内で行なわれるようで、通り側には商品が若干ワゴンに置かれているもののあとは閑散としていて、左側に一台、どんと飲料自動販売機が置かれています。この置かれ方は一般に店舗との調和があまりないのですが、他の商店街ならばもう数台が並べ立てられているところ、一台のみの設置というところに若干のこだわりを感じるところです。 このさき、ぽつんぽつんと自動販売機が目立ち始めるのであります。 地蔵通り商店街を進み、右側に『とげぬき地蔵尊 曹洞宗萬頂山高岩寺』が見えてきました。1596年に江戸湯島に開かれ、その後下谷屏風坂に移り、この地には1891年に移転してきたとのこと。よくぞお越しくださった。境内左には観音様がいらっしゃって、多くの人が列を作って並び、お地蔵さんを洗う順番を待っています。こちらは『洗い観音』さんで、とげ抜き地蔵さんとは別のお地蔵様。 ここまで左右に47店舗を見てきましたが、通りに面した自動販売機はたばこ2、テレホンカード1、飲料1の4台だけ。これはとても少ない。どれだけ少ないか、あとで他の商店街の状況と比べてみましょう。 通りに面した自動販売機が少ない理由のひとつが横道に置かれる自動販売機。人通りは少ないが地蔵通りからすぐの店舗際に自動販売機が置かれています。 ここ、『永楽堂』はその典型。高岩寺正面のこの店舗では、地蔵通りに面した正面には商品を積み上げ人力で活発に商売しています。一方横道沿いには飲料自動販売機を4台店舗の壁につけて設置し、その前に腰掛けを置いています。腰掛けを置くというのはこの商店街の特色だそうで、特にお年寄りの多い買い物客に配慮したもの。確かに、買い物を続けていると、どこかで坐って休みたくなります。そんなときさりげなく椅子が置いてあると、そこでしばらく腰を落ち着けて、また買い物が楽しめるというものです。この自動販売機前の腰掛けも実にさりげなく置かれています。自動販売機もありますが、それを利用しようとしまいと自由。ここで飲料を買う人もいることでしょう。 空スペースに自動販売機を置いて、ただ儲けようというのではない。自動販売機や椅子を置いた設置者の計算や優しい気持ちが伝わってきます。 地蔵通りは通りに沿って、小さな商店が無数に軒を連ねています。その数通りに面した店だけで、ざっと数えて175軒。これはとてつもないことなのだなぁ。だんだんと歩いていきますが、ここはどこまでもどこまでも同じように小さな店舗がつながっているので、たくさん歩いた感覚がない。ちょうど大型小売店の店舗の中を歩いているようで、次から次へと売り場が続いているよう。このような距離感の中では、はたして自動販売機が多いのか少ないのか判断がつかない。しっかりと地図に落として検証しなければ。 さて、とげ抜き地蔵さんに向かって歩きますと、小さな交差点の角に「桜花苑」という饅頭屋さんがありました。ここは角を利用して、地蔵通り側と横切る小道側に売り場があって、地蔵通り側は食事どころと饅頭屋さん、小道側はソフトクリーム窓口となっており、角のデッドスペースに小道を向いて伊藤園の飲料自動販売機が置かれています。 ちょうどここは壁になるところで、しかも店舗角から距離のないところに邪魔な電柱が立っている。ならば自動販売機を置くくらいなのだろう。地蔵通りに対しても、正面を向かないから、街の雰囲気をこわすことのない設置なのだな。 巣鴨地蔵通商店街で最初に発見した自動販売機は、歩道橋下の電話ボックス内にあるテレホンカード自動販売機と、その向かい、「青木美稱堂」という店舗の店先にあるたばこの自動販売機。たなこの自動販売機は店舗の左側に1台、右側に1台が設置されています。左側の一台は、せっかくのたばこ店独特の販売窓口の半分を塞ぐようにして道路側を向いて置かれている。右側のは奥へ続く通路を塞ぎすぎないよう横向きに置かれています。 コーヒー飲料もそうなのですが、たばこというものは各種の銘柄があってそれぞれを売らなければいけないらしい。そのためには複数の自動販売機を設置して対応しなければならないらしい。以前は自動販売機ではハイライトとかチェリーとかの数銘柄だけで、あとは店舗で販売していたものですが。なにも細かいものまで全部が全部自動販売機で売らなくてもよいと思うのですよ。そうすれば店舗と共生できるのになぁ。 さて、街でよくみるたばこ屋さんは、たばこの販売は専ら自動販売機にお任せして、最小限の義務である未成年者の購入抑制も行なわず、店舗はシャッターを下ろしていたり、ひっそりとしているものなのですが、地蔵通商店街のたばこ店は異なっていて、たばこの販売は自動販売機に任せているものの、店の中では雑貨や小物を売っていて、どこもにぎやか。「青木美稱堂」ではたばこ販売の他にカメラ店の顔を持つとともに、店先にはお年より向けのカバン類を並べて販売しています。 なるほどこれほど歩行者のあるところでは、シャッターを閉めるのはもったいない。ならば自動販売機もいらないと思うのだけれどなぁ。 ちなみに奥に入った2階には「美容室smile hair」、3階には占い(女性専用、英語)があるようです。 じゃまといえば、店舗脇の電信柱もとても邪魔そうなのですが、こちらは現状では受け入れざるをない。そうすると、この邪魔者に沿って邪魔な自動販売機をおいてもしょうがないような気にもなる。 日本で屋外自動販売機があふれる背景にはこれが大きく影響しているのではないかな。 東京・巣鴨の地蔵通り商店街。お年寄りで賑わうことから『おばあちゃんの原宿』として知られるこの商店街において自動販売機はどのように置かれているのか、置かれていないのか。それをとても知りたくなったのであります。訪れたのは9月19日の水曜日の午前10時から0時までの約2時間。手元にある「とげぬき地蔵商店街の経済学(竹内宏 著 日経ビジネス人文庫)」によると、ここは平日午後3時から6時まで歩行者天国となる。また、毎月4のつく日は縁日で大変な人だかりとなるとのこと。私のいた時間帯は、商店が開店しつつも、街がわりに落ち着いている時期と思われます。まぁ、自動販売機は動かないから、それでもよしとしますか。 出かける前の仮説は次のとおり。 1 人と人とのコミュニケーションを大切にするこの街では、自動販売機はほとんど置かれないであろう。なんらかの統一的規制が商店街としてとられているに違いない。 2 たばこ店だけは自動販売機に頼っているであろう。この場合、周辺との調和をどうとっているのか興味深い。 大した仮説ではないがないよりはましか。そのような訳で、JR巣鴨駅を降りたわたくしは、大きな通りを商店街に向かって約400m歩行し、横断歩道橋を渡って、いよいよ商店街に入っていくのであります。 (歩道橋上からの感想。あれれ、お年寄りより若者のほうが目に付くぞ。それと左側にある写真屋さんの前にあるのはまさしく自動販売機ではないか。あれあれ。。。) < 前のページ次のページ >
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vending machines and Japanese
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