『広辞苑 S30.5.25第1刷 S30.8.5第1版第2刷発行』
「〔自動・自働〕-はんばいき〔自動販売器〕(automat) 特殊の売品につき、代価相当の硬貨を投入口に入れれば、電気的作用で物品を突出す装置。乗車券・入場券・菓子の販売、覗眼鏡など、その種類が多い。」 『広辞苑 S44.5.16第2版第1刷発行』 「〔自動・自働〕-はんばいき〔自動販売器〕(automat) 特殊の売品につき、代価相当の硬貨を投入口に入れれば、電気的作用で物品が出てくる装置。乗車券・入場券・菓子の販売、覗眼鏡など、その用途・種類が多い。」 『広辞苑 S51.12.1第2版補訂第1刷』 第2版第1刷と同じ。 国立国会図書館で、古い広辞苑を探して読んでみる。ここに「第1版第1刷」が置いていないのは不思議な気持ちがする。 広辞苑は昭和30年に初版が発行されているのだが、「自動販売器」はすでにその項目に取り上げられている。 第1版と第2版の違いは「物品を突出す」と「物品が出てくる」の部分と「「その種類が多い」と「その用途・種類が多い」の2箇所。そういえば今でも券売機など、「突出す」ものもある。旧くの自動販売機はこのタイプであったのあろうか。昭和42年発行の『言林』にも「品物を突出す」との説明がある。 この時期の説明として「特殊の売品」との記載があるが、現在のものにはない。 (広辞苑第5版「(automat)貨幣・カードなどを投入口に入れると、物品が自動的に出てくる装置。乗車券・飲料・雑誌の販売などに用いる。自販機。」) 自動販売機は当初は特殊の売品のみを販売していたが、その後さまざまな物品を販売するようになってきたのだ。
『日本国語大辞典 第二版⑥ 1972.12.1第1版第1巻(全20巻)発行 2002.1.10第2版第2刷発行』
「じどうはんばいき[自動販売機](名)所定の硬貨や紙幣、または、これに代わるカードを挿入して望みのボタンを押すと自動的に物品が出てくる機械装置。乗車券、飲料、タバコなどの販売に使われる。 жエオンタ(1968)〈金井美恵子〉五「赤い長方形のコーラの自動販売機」 ж白く塗りたる壁(1970)〈高橋和己〉10「受付けのところにジュースの自動販売機があった」 жいつか汽笛を鳴らして(1972)〈畑山博〉二「切符自動販売機の前で小銭入れから金を出そうとしている地下足袋姿の男に」 発音ジドーハンバイキ このような、語の登場する小説を紹介する辞典もあるのだな。自動販売機の項目で、小説紹介部分は過半を占めている。 紹介されている小説はいずれも昭和40年代のものなのだな。 高橋和己さんの『白く塗りたる壁』は先に読んであるのですが、さて、他の2点はどのように確認をしましょうか。 『新明解国語辞典 S47.1.24初版1刷発行』「自動販売器⑥ 代金に相当する硬貨を投入口から入れると、自動的に物品が出てくるようにしてある装置。乗車券・たばこや、びん・かんに入った飲食物などの販売に用いられる。」 『新明解国語辞典 S47.1.24初版発行 S49.11.10第2版発行』 「自動販売機⑥ 代金に相当する硬貨を投入口から入れると、自動的に物品が出てくるようにしてある装置。乗車券・たばこや、びん・かんに入った飲食物などの販売に用いられる。」 『新明解国語辞典 1972.1.24初版発行 2005.1.10第6版発行』 「自動販売機⑥ 代金を投入口から入れると、自動的に物品が出てくるようにしてある装置。乗車券・たばこや、瓶・缶に入った飲食物などの販売に広く用いられる。自販機。かぞえ方 一台」 昭和47年初版では「器」だったのが、昭和49年第2版では「機」になりました。 平成17年第6版では「硬貨」の表現が消え(つまり紙幣やカード使用を念頭に置いたのでありましょう。)、「自販機」という略語が紹介されました。 『大辞典 S10.8.10初版一刷発行 S49.6.10覆刻版第一刷発行 S49.10.10覆刻版第三刷発行』「ジドーハンバイキ 自動販賣器:代金を指定の小孔に投入すれば電気回路を形成し、モーターの回轉により金銭に相當する物品を自動的に販賣する装置。この中乗車券販賣器は自動券賣器なる名で呼ばる。」 この辞典によると、ジドーハンバイキは電気的に作動することが必要。商品を選択する行為については触れられていない。単品のみ販売する装置を念頭に置いたものか。そういえば、ジドーハンバイキを「装置」として位置づけ、「機械」としていないのが興味深い。 この辞典では触れられていないが、古い辞書ではautomatを併記しており、vending machineとの表記はない。「機」はmachineの訳であろうが、最近のものである可能性が高い。
いろいろあって徹夜明けはさすがにきつい。しかし、なんとか電車の中だけは座って寝ることができそうなのが救いなのであります。
こんなときのためにとっておいたネタ。 『新版現代国語辞典 S26.5.13 初版印刷 S26.5.18 初版発行 S35.8.29 227版発行』 「自動販売機」の項目なし。 この辞書は、豊科図書館で、職員の方に見つけていただいたもの。内容は昭和36年のままなのか。自動販売機はこの時代辞書に載るほどメジャーではない。 今日はこのあと明日にかけてそば祭り開催の開田高原で合宿。あぁ眠い。 そういえば、豊科図書館のある豊科公民館には昨日坂田さんや大木こだま・ひびきさんたちが来てくれたのだけれど、どこで寝たのだろうか。 豊科図書館で、自動販売機関係の書籍や辞書や、韓国の同姓同本不婚制度に関する本を探していると、大きな活字が目につきました。「あ~こ」「さ~と」「な~ん」 これはいったい・・・ 『大活字版新明解国語辞典 1989.11.1発行』 これは目の不自由な方のために、あの「新明解」の活字をでっかくした辞書で、三冊でひとつの国語辞書となっています。試みに「自動販売機」をひいてみますと・・・ 「自動販売機:代金に相当する硬貨を投入口から入れると、自動的に物品が出てくるようにしてある装置。乗車券・たばこや、びん・かんに入った飲食物などの販売に用いられる。」 これはうちにある新明解とほぼ同じ。瓶・缶がひらがなになった。自販機という略語が掲載されていないですね。 昭和59年ではまだ紙幣は登場しない。ペットボトルも同様。 さて、自販機大手フジタカは、自動販売機据付型監視システム「見てますよ看板」を開発。10月1日から販売すると発表しました。詳しくは明日ね。 『大日本百科事典ジャポニカ S44.4.25初版1刷行 S48.11.30第2版9刷発行』「自動販売機:電車や汽車の切符、たばこ、ジュース、コーヒーなどの販売機で、硬貨を投入すると自動的にこれらのものがでてくる機械。人件費の節約のために考案されたもので、人件費のとくに高いアメリカで発達した。日本でも、1927年(昭和2)ごろから使われだしたが、第二次世界大戦後、急速に発達し、切符の自動販売機をはじめ、現在多くの商品に利用されている。切符の自動販売機は硬券式と軟券式とがあり、作動方式に電気式と機械式とがある。機械式は投入口から入れた硬貨が、落下する途中でつめなどを動かし、切符が外からの操作で出るような状態になり、最後にハンドルを動かして切符を取り出すのであるが、最近は機械式は使われなくなり、ほとんど電気式となった。電気式は硬貨を投入しただけで、自動的に切符がでてくる。硬券式は、厚手の切符を積み重ね、最下位のものから順に金属板で突出すのであるが、ふつう1000枚程度しかはいらないので、すぐ切符の補充をしなければならない欠点がある。軟券式は薄手のリボン状の紙で、硬貨を投入するとスイッチが働き、裁断機で一枚の長さに切断されて出てくる。いずれの方式でも日付印刷機が内蔵されていて、日付も自動的に印刷される。このほか切符自動販売機と比べると数は少ないが、たばこ、ジュース、コーヒー、チューインガムなど各種の自動販売機がある。また日本ではあまり普及していないが、チョコレート、キャンディー、サンドイッチ、ドーナツなどの菓子類の自動販売機、またストッキング、ハンカチーフ、下着のような衣類の自動販売機もアメリカでは使われている。自動販売機はその品物を一日に一回、あるいは数日に一回補給すると、あとは人がついている必要がないので一人で何十台、何百台の管理ができ、人件費の節約とともに、食料品などは衛生面でも有利である。」 『汽車』については、私鉄や路面電車を『電車』と呼ぶのに対して、日本国有鉄道(国鉄)を指すとの解釈もあるようですが、昭和40年代にはまだ各地で蒸気機関車が元気に走っていたようです。日本ではまず切符の自動販売機から普及が始まったことがよく読み取れます。 人件費の節約が自動販売機の目的であるという基本事項を再認識しました。 それにしても、一人で何十台、何百台の管理はどうだろうか。机上の空論?金銭管理も故障もなければ可能か。 この時点ではまだ『自販機』とのことばはない。 写真はアメリカの自動販売機のものだし、解説でもアメリカの自動販売機について随分紹介しているけれど、この時期に自動販売機がアメリカでそれほど普及していたのだろうか。 「アメリカでは○○だ」というのは、実はアメリカでも少数で最先端のものだったりするから、すこし気をつけなければならないな。(今もそうだけれどね。) 安曇野市は豊科(とよしな)、穂高、堀金、三郷、明科の5つの町村が合併して誕生した市ゆえ、現在図書館は各旧町村毎の5つあります。中央図書館建設の構想はあって、どうやら我が家から歩いて10分のところにできるようで、まことにありがたいことであります。これまで図書館には自動販売機関係の書籍は殆どなく残念と思っていたのですが、辞書、辞典類を考えると、そこは宝の山なのだなぁ。 その図書館のひとつ、豊科図書館に行ってみました。 豊科公民館と書かれた建物に入ると、すぐ右側に豊科図書館の表札がかかっています。脇の階段下にはダイドーの自販機。本日の目的はそれではありませんが、写真だけは撮って記録しておこう。 図書館で古い辞書を探します。意外なことに、そこにはあまり古い物は置いてないのです。開架はもちろん、調べていただいたのですが倉庫にもないようです。古典と現代をつなぐ資料として残してゆきたいものなのだが。 そのなかで見つけた一番古い国語辞書がこれ。 『言林 S36.10.1新版発行 S42.9.1新版第五版発行』 「自動販売器:特殊の売品につき、代価の金銭を投入口に入れると梃(てこ)の一端に落ち、他端を上にもちあげ、電気回路が作られて電動機が回転し、電動機に直結された歯車は他の多くの歯車に回転を伝え、ローラーをまわして品物を突出す装置。入場券・乗車券・菓子(かし)の販売・覗(のぞき)眼鏡など種類が多い。」 これは非常に丁寧な説明です。自動販売器の内部構造が目に浮かぶようです。
家の書庫の隅をつついてみたら、古い国語辞書がでてきました。
『旺文社国語辞典〈中型新版〉S40.9.1重版発行』 「自動販売器:おかねを入れると自動的に品物が出てくるようになっている機械〈乗車券、たばこ、飲み物などの販売によく使われている〉」 「出てくるようになっている」といういい方が、「もしかしたら出てこないトラブルがあるかもしれないけど、仕組み上は出てくるようになっているんだよ。」と言っているみたいでおかしい。 昭和40年といえば1965年。いまから41年も前。自動販売機についていえば、昭和30年代に次々と各種自動販売機の開発が進み、急激に普及した時期にあたります。 昭和32年にホシザキの噴水型ジュース自販機「オアシス」が登場。翌年にはチューインガム自販機・手動式タバコ自販機が登場。昭和36年には乾電池自販機、昭和37年にはボトル飲料自販機、昭和38年には缶ビール自販機が登場。 昭和35年には1万台だった自販機が、昭和45年には100万台を超えたそうなのだなぁ。 (参考:ベンディングマシーン・マーケティング研究会/編・著「自販機マーケティング」。なお、現在でも全国での普及台数は550万台程度。) その、当時最新の技術であろう自動販売機について、辞書が採用していたのが「自動販売器」の文字。『機』ではなく『器』なのに気づいていただけましたか?
なん人も、自動販売機の前では平等であります。
自動販売機は貴賎を問わず、ただ、その自販機の商品を求めるにあたっての対価が支払われるかどうかのみを基準に、その条件を満たすもののみに、全く同一のサービスを提供するのであります。 大人でも子供でも、尊いお方も、政治家やお乞食さんも、公務員だってフリーターだって。 自動販売機は頑固でわがままですが、自身の設定した条件に見合えば誰にでも同様のサービスをなす姿勢は、社会に受け入れられる大きな要素であったと思うのであります。 今日の辞書:小学館『日本国語大辞典(第一版) S49.5.1 』 「所定の硬貨を投入すると自動的に物品が出てくる機械装置。乗車券、飲料、タバコなどの販売に使われる。」 ・・・これは『新明解』とほぼ同様の定義なんだな。 < 前のページ次のページ >
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vending machines and Japanese
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