長野県立歴史館の正面入り口を入りますと、正面にあるのが入場券の券売機です。
「歴史館」という、歴史、伝統、人々の営みをつよく感じさせる施設にして、このようなへろへろな機械が正面を飾るのだな。かつて大英博物館を訪れた折、その正面むこうにあったのはニケ像だったか、ラムセス2世だったか。そのような博物館を象徴するものが展示されていたのだ。それが、長野県立歴史館では自動販売機ですか。
さらに、その機械の右脇には「受付」があり、ここで人の手を介して入場券を入手することができる。それならわざわざ自動券売機などおかずもよいものだが、施設の入り口には必ず券売機を置かなければいけないような思い込みにとらわれているのだ。
なにげないところに、なにを伝えようとしているのか、大事にするものがなにかが現われるのだな。
それにしても、頭のなかで大英博物館とエジプト考古学博物館がいっしょになってしまって、どちらがどうだったか分けて思い出せない。もしかしたらルーブルもまざっているのかもしれない。考えてみると、それはそれでとても幸せな思い出なのだな。