「つっこみ力」の自動販売機
「それでや、缶コーヒーの売り上げを調べてみたんやわ。ちょっとこれ見てみ」

 缶コーヒーシェア(2004年)
  コカ・コーラボトラーズ 39.8%
  サントリー 16.9%
  ダイドードリンコ 10.1%
  アサヒ飲料 7.3%
  キリンビバレッジ 6.9%
 (出典・『東洋経済統計月報』2005年12月号)

「ほう、おもしろいもんやなあ。けっこう大差がついてるやないの。(中略)缶コーヒーなんて、どれ飲んでもおんなじやろ、と思うとったんやわ」
「おんなじやがな」
「ええっ?そうなん?」
「2002年に全日本コーヒー協会が行なった調査があるんやけどね、缶コーヒーを飲む理由として「味が好きだから」と答えた人は、たったの23パーセント」
「ほう」
「一番多かったのが、「手軽に飲める」の71パーセント。次いで「どこでも買える」の57パーセント。缶コーヒーを味で選んでるヤツなんか、おらんねん」
「ほんまかいな? じゃあ、なんであんなにシェアの差が開くんやろ?」
「同じ調査で缶コーヒーの購入場所も聞いているんやけどね、それによると、自動販売機が80パーセントとダントツや。2位のコンビニの33パーセントを大きく引き離しとるんよ。要するに缶コーヒーってのは、飲みたいわぁ、と思ったときに手近の自販機で買って飲むもんであって、ほとんどの人には、味とか銘柄へのこだわりなんかあらへんわけや。それを踏まえて、これ見てみ」

 自動販売機台数(2004年)
  コカ・コーラグループ 98万台
  サントリー 41.4万台
  ダイドードリンコ 27.6万台
  キリンビバレッジ 19.2万台 
  アサヒ飲料 16万台
 (出典・『日経産業新聞』2005年7月26日)

「どないや。さっきの売り上げシェアと比べてみて」
「順位も比率も、ほぼそっくりやな」
「せやろ? 缶コーヒーのシェアってのは、自販機の台数でほとんど決まるんやわ。だから、自販機を100万台ほど作れば、どのメーカーも缶コーヒーのシェアで日本一になれるチャンスあり、っちゅうわけや。どや、ボクの華麗なるコンサルタントぶりは」
「そりゃあ、理屈の上ではそうやわな。でも、街中を自販機だらけにしてまで、日本一になる意味があるんかな。なんや、それってむなしい話とちゃうか?」

私が読んでいるこの本は「つっこみ力」(パオロ・マッツァリーノ著 2007年2月)

「100万台作るはいいけど、どこに置くつもりやねん!」と、自動販売機の新規設置に奔走する人たちから、厳しいつっこみがはいりそうですね。
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by epole | 2009-01-04 12:03 | 小説にみる自販機


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