「仙人」の自動販売機
時間・場所・手口などから判断して、この事件も川谷の犯行と認められたので、捜査員は急いで被害現場に駆け付けた。だが、この現場は林野を切り開いて開墾した畑で周辺一帯に民家は無く、強いて目撃者を挙げるならば、タヌキやキツネぐらいなもの・・・・・・聞込み捜査は到底無理な状況であった。捜査員は現場付近における目撃者探しを断念し、被害場所の直近道路を北西方向へ約5キロメートル進んだ地点に所在する八ヶ岳山麓の某鉱泉旅館へ向かった。その旅館の経営者に不審者について聞込みを実施すると、”川谷が逃走した当日、鉱泉旅館の自動販売機からヒゲを生やした男がジュースを買っているのを目撃している・・・・・・”ことが判明した。

私が読んでいるこの本は、「捕物秘話 長野県防犯実話集第14集 『仙人』」(平成11年8月1日発行 非売品)

どんな田舎にあって、ぐるりにいるのはタヌキかキツネくらいしかいなくても、旅館という名のつくところには、安曇野市の中房温泉のように、どういうわけだか必ず自動販売機だけは備わっているのだ。
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by epole | 2008-10-03 20:28 | 小説にみる自販機


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