いま、私はマイクの前に立っている。マイクの向こう側にあるのは無数の穴である。
小学校の時、穴に足をひっかけて水溜りの中に転んだことがある。当時はまだ舗装道路なんてなくて、道の両側はほじくれており、雨上がりの道には規則的に水たまりがあったものだ。どこから出てきたのだろう、水たまりにはアメンボが浮かんでいた。近づくとすーいすーいと離れていく。そんな水溜りの中で、買ってもらったばかりの白い靴を泥で汚してしまった切なさに声を出して泣いたことを思い出す。それを、すべては穴のせいだと子供心に思ったものだった。 それ以来、穴と出会ってろくなことはない。 私が今の仕事に就いたのは、ちょうど一年前。昨年の9月のことだった。前任者が過労で、仕事をほっぽり出したことから、私が代役としてかつがれたのだ。 最初は悪い気はしなかった。偉大な父がそうだったように、私も思い切り世のため人のために働くつもりであったのだ。しかし実際はそのような環境にはなかった。ライバルはひとの話に聞く耳も持たないし、部下たちは次々と問題を引き起こし、それをどうにか処遇するのに追われ、ろくなことはできなかったのだ。最近人事を一新したものの、また足を引っ張る輩が現れる。そのたびに穴が私を取り囲む。まったくの穴だらけである。この一年間、私は穴に囲まれてきたのだ。しかし、それも今日を限りに終わる。 ひととおり暗記した原稿を暗唱すると、お約束の穴の時間だ。もはや明日からは穴にこたえる必要もなくなるのだろう。私は気を取り直して穴に向かう。 Q 辞任を表明されましたが、具体的にいつの段階で決断されたか。前安倍総理もこのように唐突に投げ出されたが、唐突に辞める。政治不信が巻き起こるのではないか。 A 安倍前総理は健康の問題があった。わたしは健康の問題は目が見えにくくなったこと以外、特別なことはない。私がこれからの政治をどうすべきか考えて決断した。いつ考えたかといえば、過去いろいろ考えたが、先週末に最終的な決断をしました。 Q 新しい体制を整えた上で国会に臨むべきだという考えを表明されたが、新しい体制になればどのような点でいまの事態を打開できるか。 A これはですね、我が自由民主党のことをいって恐縮ですが、総裁選挙をすることになると思う。そして選ばれた新しい総裁が総理大臣の指名を受ける、こういうふうなプロセスになると思う。それは私が続けていくのと新しい人がやるのと間違いなく違うと考えた結果です。いろいろな状況を考えて政治的な判断をした。 Q 総理が冒頭で挙げられた消費者庁、道路等々の成果はいずれも道半ば。ご自身の手で仕上げるのが責任というのが普通ではないか。新体制でやるのはどうしてか。もう一つ、総理大臣が辞めるのが政治的空白を生むのではないか。国民が景気等々悪いときに、辞めること自体が空白を生むのではないか。 A 消費者庁はだいたい法案がまとまった。この趣旨は国会にこれから説明していく。私に続く人がこのことを重要に考えやってくれる、それを期待しているが、ここまでまとまれば、あと国会でどういう審議をされるか、その点について野党とどういう話をするかそれはお任せするしかない。無責任といえば全部終わるまでやっていないといけない。本当にやってられるかという問題がある。第二の問題ですが。私が続けていって国会が順調にいけばいいが、そういうことはさせじという野党がいるかぎり、新しい政権になってもそうかもしれないが、私の場合内閣支持率の問題もあるかもしれないし、そのへんは困難を伴う。政治空白というが、いまが政治空白を作らないには一番いい時期だという判断をした。国会の途中で何かあったなら、そのほうがより大きな影響を国民生活に与える。これから大事な法案、政策を打ち出すわけだが、法案だけ考えても経済対策あり、給油法の問題あり、消費者庁もある。前国会の積み残しもたくさん大事なものがございますから、そういうものを順調に仕上げなければならない。そのためには、私が、いろいろ考え判断した結果、いま辞任をして新しい人に託した方がよりよい、という判断をした。 Q 今日夕方に麻生幹事長と1時間会っていたが、どのような話をしていたのか。自ら幹事長にした麻生さんを支持するのか。 A 麻生幹事長、町村官房長官、両氏においでいただき、私の考え方を説明した。いろいろなやりとりをして、時間かかったがそういうこと。それからその後のことは、自民党内でどうするかの問題だが、総裁選の日取りや手続きを進めてほしいと麻生幹事長に話した。 Q 決断に至る過程で総理ご自身が解散総選挙をご自身の手でやると考えたことあるのか。民主党との間でねじれ国会のもとで、政策遂行が難航したが、民主党の小沢代表に対しておっしゃりたいことがあれば。 A ねじれ国会で大変苦労させられた。話し合いをしたいと思ってもそれを受け付けてもらえないことが何回もあった。与党の出す法案に真っ向反対、それも重要法案に限って真っ向反対と、聞く耳持たずと言うことが何回もあった。私が小沢代表に申し上げたいのは国のためにどうしたら良いのか虚心坦懐、胸襟を開いて、話し合う機会がもっとあったら、話し合いたかったということを言いたい。 Q 1カ月前に大幅な内閣改造したばかり。臨時国会を乗り切るための強力な布陣をしいたと思うが、わずか1カ月、国会を迎えないうちに総辞職を迎えなくてはならなくなったことについてと、臨時国会、乗り切るために何が足りなかったのか。 A 私が1カ月前に内閣改造し、1カ月後に任命した総理自身が辞めるのか、というのはもっともなことだと思う。私も内閣改造したときには、少なくとも重要な案件については、なんとかしたいと意欲をもっていた。だからそういう布陣をした。経済は特に重視しないといけないという思いがあった。その改造の前あたりから経済対策を打たなければならないといろいろ考えを巡らしていたので、新内閣でさっそく経済対策に手をつけていただいた。それが先週末に一応の決着を見た。じゃあ、いま現在、どうして組閣当時と考え方が変わったのかというと、そのあとのいろいろな政治の状況あり、そういうことを勘案して臨時国会を少しでも順調にいくようにと考え、私自身がやるよりは他の人にやっていただいたほうがより良くいくのではないか。野党は解散解散という。解散と聞くと議員心理がいろいろある。議員心理の結果政治状況が不安定になってはいけない。それは、国民全体にご迷惑をかける。国会に一番迷惑をかけない時期に、私がそういうような表明するのは、一番いいと考え、この時期を選んだ。一番いい時期だと思っている。 穴の話を聞き、答えるのにも疲れた。だいたい穴などはどうのこうの好き勝手を正義面をして言えばよいのだから楽なものである。穴の一つでも、将来への責任を背負って発言するという話を私は聞いたことがない。しかしまぁ、今回で終わりである。次を最後とするとしよう。 Q 総理の会見が国民には人ごとのように感じるとよくいわれ、きょうの退陣会見を聞いてもそういう印象をもつ。こういう辞め方になったことについて、自民党を中心とする現在の政権に与える影響どんなふうに考えますか。 A 自民党公明党政権ですか?順調にいけばいいですが、それに越したことはない。しかし、わたしの先を見通す目の中には順調ではない可能性がある。そして、この状況の中で不測の事態に入ってはいけない、そういうことを考えた。人ごとのようにとおっしゃったが、私自身は自分自身を客観的に見ることができるんです。穴とは違うんです。そういうことも併せ、考えて頂きたい。 ■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□ 【ルール】 参加: お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは2008年9月7日(日)23:59まで 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)とします。 お題が変われば何度でも参加OKです。 チャンプ: お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。 1.お題を出す 2.言いたい放題な審査をする 3.次のチャンプを決める 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。 企画終了条件: みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。 参加条件 特になし! ※ 以下あれば尚可!! ブログをもっている。あるいはこれから作成する。 トラックバック機能が使える。 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/ 開催事務局 ボケトラの穴 http://trana88.exblog.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ お題: おっと、思いっ切りつまずいて転んでしまった。 ん? なんだ、この穴は?
by epole
| 2008-09-03 22:09
| トラボケ?
|
vending machines and Japanese
Master of Economics 経済学修士 Digital Archivist デジタルアーキビスト epole ➡Facebook えぽるは若者自立塾 を支援します! まよわず毎日クリック♪ 人気ブログランキング 気が向いたら ↑ 押して みてください。 お問い合わせはこちら。 epole@yahoo.co.jp お小遣い稼ぎはこちら。 coneco-epole mine-shinshu 善光寺 穂高神社 小布施町ブログ MY SHINSHU 新まつもと物語 侍学園 長野失語症友の会 恋愛頭脳vsえぽる 戦力外通告 av-media 信越放送 SBC 長野放送 NBS テレビ信州 TSB 長野朝日放送 ABN NHK長野放送局 FM長野 J-WAVE BS日テレ BS朝日 BS-i BSジャパン BSフジ 日本テレビ TBSテレビ フジテレビ テレビ朝日 テレビ東京 paper-media 信濃毎日新聞 市民タイムス 日本経済新聞 毎日新聞 読売新聞 朝日新聞 産経新聞 中日新聞 excite ニュース livedoor ニュース google検索 自動販売機を検索 地域経済を検索 電子政府 法令データ提供システム 長野県統計 長野県法令 長野県報 各国・地域情勢 信州の路線バス 記事数1,699 カウンターはおかげさまで 380,000をこえました。 おこしいただいた皆様に、 心から感謝を申し上げます。 カウンター 9月30日24:00現在 383,180 (since 2004/2/14) AccessAnalyzer.comに よる解析結果はこちら。 (past three months) 自販機アンケート 自動販売機の世界 普段えぽる きままえぽる 黒猫えぽる 小猫えぽる epole's profile epole@yahoo.co.jp えぽるのおきにいり リライト:月屋へようこそ Mimisoleilの部屋 働くリウマチャーの酒蔵日記 くつみちか youtube ばにらのおさんぽ たび子本店 つながるモリタクBLOG FUJIYAMA GROUP KAGURAZAKA 農noh! 信州大学大学院 信州大学経済学部 日本政策投資銀行 カテゴリ
全体 総論 統計から見る自販機と地域 自動販売機と犯罪 自販機による販売戦略 渡名喜村へ! 沖縄の自動販売機 自販機にないもの 小売店の今 自販機の空間 これからの自販機 災害対応自動販売機 地域貢献型自動販売機 たばこの自販機 成人向け自販機の黄昏 自販機の足もと 震災と自販機 天災と自販機 屋内自販機 自販機いろいろ 普通の自販機 廃自販機 世界の自販機 朝日村の自動販売機 愛・地球博と自動販売機 小説にみる自販機 役所の自動販売機 飛騨高山の自動販売機 北陸の自動販売機たち 景観と自販機 秘湯の自販機 古都の自動販売機 巣鴨へ! 泰阜村へ! 辞書でよむ自動販売機 ごはんのおかず 冷たいものが飲みたい セカンドライフの自動販売機 自販機ニューズ トラボケ? 社会人の大学院 番外 販売品目に注目 犬山の自動販売機 アートの中の自動販売機 伊那食品工業と自動販売機 史料 フォロー中のブログ
毎日が送りバント 夢見るかえる 【フランス美食村】nao... 安曇野時間 ウサ田のつぶやきが辞書になる 安曇野 ひつじ屋 Andradite 見学に行ってきた。 彼はアタシの捌け口 中国東莞海外生活情報局 「旅人主義」-slow ... YOUR‐FIRST 樋渡啓祐物語(2005年... Strawberry a... 古今東西風俗散歩(移転し... 日刊エキブロ新聞 mimi,jean,pe... 渡辺 哲のブログ Lest rose / ... 在ローマ市 Kasumi... Coast Starlight 田口ランディ Offic... 安曇野カンポンLIFE ポン菓子ぽんべえ ブログ 心がほぐれる+からだがと... 信州大学大学院地域社会イ... "みみころ”の明るく、元... 北京からの生活便り MY SHINSHU AkaneBonBon 開催事務局 美味しいモン食べて、イイ... 小布施鈴花のブログ 湖畔の原始感覚美術展ブログ 最新のトラックバック
以前の記事
2015年 02月 2013年 08月 2012年 09月 2012年 02月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 2004年 05月 2004年 04月 2004年 03月 2004年 02月 ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||