以前紹介したとおり、JR松本駅構内にあるサントリーの自動販売機には、松本市制100年を記念するポスターが貼られているのです。
それに対して、業界最大手のコカ・コーラはなにもしないのだろうかとぼんやりとかんがえながら、その隣のコカ・コーラの自動販売機を眺めますと、そこに工夫がありました。さすが!
金語楼さんではありませんが※、珈琲のカンは丈が短いので、下に置物を置いて、背を高くしてディスプレイする手法が使われます。
通常は製品やメーカーの宣伝が記されているのですが、ここの自動販売機はそれだけではないのでした。
「おすすめ」「新製品」といったもののほかに「信州へようこそ」「松本へようこそ」というロゴの入ったディスプレイがつかわれています。これは・・・さりげなくも、見た人の心を温かくするディスプレイではないか。
観光地を印象付ける者の最大のものとしてファーストインプレッションというものがいわれます。このディスプレイは実に効果的。
電車から降りてこのホームに降り立った観光客が、ふと飲料でもいただこうかと自動販売機にお金を入れ、商品を眺めると、これらの文字が歓迎している。
信州での旅を終え帰途に就くひとが、車内で飲む飲料を買おうとすると、これらの文字が目に入り、楽しかった信州を思い出すのだ。
このコカ・コーラの取り組みはさりげないが、実に効果的なものなのだ。
※金語楼さんは子供のとき自転車屋さんのディスプレイのアルバイトをして、そのとき足がペダルに届かなかったので、下駄の下にかまぼこ板を足して乗ったという。