地蔵通り商店街を進み、右側に『とげぬき地蔵尊 曹洞宗萬頂山高岩寺』が見えてきました。1596年に江戸湯島に開かれ、その後下谷屏風坂に移り、この地には1891年に移転してきたとのこと。よくぞお越しくださった。
境内左には観音様がいらっしゃって、多くの人が列を作って並び、お地蔵さんを洗う順番を待っています。こちらは『洗い観音』さんで、とげ抜き地蔵さんとは別のお地蔵様。
ここまで左右に47店舗を見てきましたが、通りに面した自動販売機はたばこ2、テレホンカード1、飲料1の4台だけ。これはとても少ない。どれだけ少ないか、あとで他の商店街の状況と比べてみましょう。
通りに面した自動販売機が少ない理由のひとつが横道に置かれる自動販売機。人通りは少ないが地蔵通りからすぐの店舗際に自動販売機が置かれています。
ここ、『永楽堂』はその典型。高岩寺正面のこの店舗では、地蔵通りに面した正面には商品を積み上げ人力で活発に商売しています。一方横道沿いには飲料自動販売機を4台店舗の壁につけて設置し、その前に腰掛けを置いています。
腰掛けを置くというのはこの商店街の特色だそうで、特にお年寄りの多い買い物客に配慮したもの。確かに、買い物を続けていると、どこかで坐って休みたくなります。そんなときさりげなく椅子が置いてあると、そこでしばらく腰を落ち着けて、また買い物が楽しめるというものです。この自動販売機前の腰掛けも実にさりげなく置かれています。自動販売機もありますが、それを利用しようとしまいと自由。ここで飲料を買う人もいることでしょう。
空スペースに自動販売機を置いて、ただ儲けようというのではない。自動販売機や椅子を置いた設置者の計算や優しい気持ちが伝わってきます。