人気ブログランキング | 話題のタグを見る
土の道と自動販売機
土の道と自動販売機_a0003909_7313165.jpg長野市役所の線路をはさんで南側の道では長区間にわたり舗装がはがれ、土の道となっています。いま見ると、この部分が特別に見えるのですが、もともと地表は石やら土やらに覆われているわけで、現在の都市の地表、コンクリートとアスファルトに覆われていて、ところどころに緑地帯などとして地表の現れる小さな区画があるだけということのほうが異常であることにやがて気づきます。

昭和初期の文学作品を読んでいると、都心の道も舗装されておらず、土ぼこりの道を自動車が走り抜けたり、雨でぬかるんだ道を歩く人々の姿が描かれています。
そこに自動販売機があるかというと、実は、ない。

昭和初期には今あるようなビン・缶の飲料自動販売機はなく、デパートなど限られた空間にキャラメルなどの自動販売機が客寄せのために置かれていたにすぎません。
やがて地表がコンクリートに覆われていくのを追いかけるように屋外型の飲料自動販売機が開発され、広まり、やがていつの間にか日本中を覆い尽くしているのであります。

そんなことを知ってか知らでか、今は土の道路の前に自動販売機は静かに佇んでいます。
by epole | 2007-04-20 07:32 | 自販機の空間


<< 懐かしい自動販売機 堀金物産センターのおでん缶自動販売機 >>