泰阜村にはいって随分坂道を登ってきたけれど、ほとんどただ扱ぐばかりで、この特集も間延びした感を禁じえませんなぁ。そろそろなんとかしないと。
「左京」という地名を通過します。信州の北部にある鬼無里村(きなさむら:現長野市鬼無里)にも東京、西京という地名があり、そちらは「鬼女紅葉」伝説というのがあって、平安のむかしからのロマンを感じさせたものですが、こちらはどんな起源があるのか。語りつないで情報を残してゆかないと、ただの記号になってしまいます。
小高い丘の間をぐるぐるっとまわった3つ角に、場違いとも思われる大きな一軒の商店と自動販売機を発見しました。
商店は2階建てで、1階が食料品店舗、2階が居住部分となっています。店舗正面右側にはたばこ、酒類(アサヒ)、ダイドー飲料自販機が並んでいますが、壁面とは若干ずれるものの、ガラス正面を塞いではおらず、全体として調和の取れた印象を受けます。
店内に入りますと、地元のお年寄り二人がゆったりとレジのところでお話しをしながらお買い物。その間売り物を確認していきます。
入り口から奥に向かって、野菜、チリ産鮭、銀だら(むつ)切り落としなど。奥の壁一面の冷蔵ケースにも豚コマ肉(国産)や若鶏胸肉(国産)、ロースハム、ベーコン、生姜焼、たこ、いか、にしん、まぐろ切り落としなどがいずれもパック入りですが豊富に陳列されています。
隣の通路にはお菓子類。種類はさほど多くないが、ポテトチップスやとんがりコーンなど、しっかりとおさえて豊富に置かれています。入り口近くにはヨーグルト、ジュース、牛乳など。
これだけの品揃えをしながら、「必要な量しか仕入れないのよ。」とこともなげにおっしゃる奥様。しかしながら、回転の速い生鮮食料品をこれだけ仕入れ販売可能なのは、地域に密着し、需要をきちんととらえる優れた経営者によるところが大きいのだと思います。
競合店舗がないのも一因かとこのとき思ったのですが、すぐ間近に農協という大きなライバルが存在することを知ったのは約1時間後のこと。
これまで泰阜村で出会った自動販売機累計12台(ソフト飲料8、たばこ3、酒類1)