家の書庫の隅をつついてみたら、古い国語辞書がでてきました。
『旺文社国語辞典〈中型新版〉S40.9.1重版発行』
「自動販売器:おかねを入れると自動的に品物が出てくるようになっている機械〈乗車券、たばこ、飲み物などの販売によく使われている〉」
「出てくるようになっている」といういい方が、「もしかしたら出てこないトラブルがあるかもしれないけど、仕組み上は出てくるようになっているんだよ。」と言っているみたいでおかしい。
昭和40年といえば1965年。いまから41年も前。自動販売機についていえば、昭和30年代に次々と各種自動販売機の開発が進み、急激に普及した時期にあたります。
昭和32年にホシザキの噴水型ジュース自販機「オアシス」が登場。翌年にはチューインガム自販機・手動式タバコ自販機が登場。昭和36年には乾電池自販機、昭和37年にはボトル飲料自販機、昭和38年には缶ビール自販機が登場。
昭和35年には1万台だった自販機が、昭和45年には100万台を超えたそうなのだなぁ。
(参考:ベンディングマシーン・マーケティング研究会/編・著「自販機マーケティング」。なお、現在でも全国での普及台数は550万台程度。)
その、当時最新の技術であろう自動販売機について、辞書が採用していたのが「自動販売器」の文字。『機』ではなく『
器』なのに気づいていただけましたか?