ほら男爵と自動販売機
ミュンヒハウゼン男爵の活躍を描いた「ほら男爵の冒険」は、1785年に英国で出版され、その184年後の1969年、星新一氏が「ほら男爵現代の冒険」を発表しています。

「ほら男爵現代の冒険」は「サハリの旅」「海へ!」「地下旅行」「砂漠の放浪」の4編で構成されていますが、そのうちの2編「海へ!」と「砂漠の放浪」において、自動販売機についての記述が見つかるのであります。
「海へ!」では、流れ着いた孤島で魔人にお弁当の自動販売機を出してもらうがその時点ではお金がなく、お金を出してもらうが紙幣で、再度貨幣を出しなおしてもらうが販売機の穴に合わず、結局力持ちの大男にハンマーで自販機を壊してもらい、中のお弁当を取り出すというものであります。
「砂漠の放浪」では、砂漠の真ん中に自動販売機があり、その販売機はコーラのでも切手のでもなく、〈もはや力がつきて歩けなくなった時に、さらに前進への力をかきたてるためのセット〉を売るものでありました。(それが何かは本で読んでね。)

この時代、星新一氏が、『現代』を表現するものとして自動販売機を2箇所にわたって扱っていることは、特筆すべきことであります。
日本自動販売機工業会のデータによりますと、1960年代に入り自動販売機は日本で急速に普及し、1964年に24万台弱であった自動販売機の普及台数が、1970年には100万台を突破、1973年には200万台を突破しているのであります。

「ほら男爵現代の冒険」は新潮文庫から発行されています。ちなみに私が持っているのは昭和50年6月30日八刷。定価は200円です。


PS.今日再び「ほら男爵現代の冒険」を読み返すと、次の次の2箇所でも自販機の記述がありました。
「サハリの旅」で、幅30mほどの川を渡るのに、ワニに追わせて川を渡るため、「両側にスクリューのついたアヒルのオモチャの自動販売機を置いたらどうだろう。有料橋のかわりになる。」という男爵のアイデア
「地下旅行」で、国連を小型原爆で爆破しようとした地下組織の描写。「室のすみにはジューク・ボックスとかコカコーラの自動販売機といったまともなものもある。」

4編のすべてに自動販売機は登場していたのだな。(2005.11.13)
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by epole | 2005-05-29 12:03 | 小説にみる自販機


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